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「我慢」と「省エネ」の間で...。1

 この国の住まいづくりにおいて、省エネへの取り組みがなかなか進まないのはなぜだろうと言う事を、ずっと考えています。一度、現在の技術力をもって構築された超高性能な省エネ住宅を体感として感じて頂ければ、きっと後戻りできないという事を実感するのは自明のことなのですが、そういうレベルの住まいがまだ国内に少ないと言う事は最初に浮かぶ理由なのかもしれません。つまり皆さんには未知の世界。ドイツ国際パッシブハウス研究所が然るべき性能であると認定した住まいは全国に20棟余り、年に一度、11月に行われるパッシブハウスDAYでの見学会など啓蒙活動が行われていますが、それにしてもこの国の住まいづくり全体に与える影響はまだまだ小さいと言わざるを得ないのです。私たちが取り組んだ国内3棟目の「福岡パッシブハウス」から9年が経ちますが、現状はどう変わったのでしょうか。

 近年、地球温暖化問題がにわかに叫ばれ始めて、住まいづくりも省エネ化に向けて気運は高まってきていると言えます。ただ、国内の状態を見ると裾野は広がり威勢は良いもののなかなか実態が伴っていない感じが否めないのです。先進のEU諸国はすでに新築に関してはパッシブハウスレベルの義務化が進んでいると言うのに、国内では省エネレベルの義務化すらまだなく、言葉だけが先走りして混乱すらしています。性能の一部だけを切り取ってあたかもそれが絶対であるような表現で喧伝するメーカーが馬鹿売れしていたり、30年この方、将来を見据えて省エネ住宅の普及を進めてきた私たちからすればいささか歪みすら感じてしまう現状を考えてみたいと思います。

 今回は、「我慢」というキーワードで考えてみたい。日本人は昔から辛抱強い国民性だと言われます。戦後の焼け野原からの復興を僅かな時間でなし得たのも、そう言う国民性と弛まない努力の賜物だと言えるかもしれません。ただ、その「我慢」が時として慣れっこになってしまって皆さんが損をしているとしたらどうでしょうか。今回はそんなお話です。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:33 | comments(0) | - |
住まいのバランス「コストと快適と性能」5

 さて、この稿の最後です。住まいづくりのバランスに関してお話ししてみました。コストと快適と性能という三角形をどれだけバランスの良いものにするかと言う事が、生涯に一度の住まいづくりのかなめである事は自明で、そのバランスの良い三角形の向こうにあなたの安定した暮らしがあります。いわゆる「安・近・短」が長く続いた結果、近年日本人は「自分で考える」という事が苦手です。垂れ流されてくる情報の中でも、ワンパッケージで楽なものを選び勝ちですから、どうしても住まいづくりも大手主導のありきたりなものに行きがちです。

 事実だけを述べれば、先ほどの三角形を見て、コスト、快適、性能のどれをとっても地域のビルダーとしっかりタッグを組んで我々のような設計事務所が個別に企画立案した住まいの方が優位である事を書きました。ただひとつ、何が違うかと言えば、「安・近・短」でないのです。皆さんにも少し考えて頂かなければならない部分が多いのですが、その分カスタムメイドのフィット感のある満足度に関しては断然優位なのです。

 粗悪なローコストは論外として、コストも、快適もそして性能に関しても我々の方が優位であるのに、なぜメーカーに流れるかと言えば、入って来る情報の誤解と安直な方向に流れる近年の傾向と言わざるを得ないのです。

 コストに関しては、同じ物差しで性能を測った場合、大手のハイスペックなものは確実に我々より割高であり、性能値も我々の方が優位にあります。そもそも画一化した規格住宅と完全なカスタムオーダーを比較するのもおかしいのですが、そこをあえて比べてもそうなのです。ましてや超高性能の世界は、規格住宅では実現しません。「日本一」を豪語するメーカーとて同じです。嘘とは言いませんが、確実に我々の方が優位なものを創っています。そして、快適性と言う意味においても、省エネと我慢の混同が甚だしい価値観の中で、業界全体の性能がまだまだ足りていない現状からして、その認識の中での選択は心もとないと言わざるを得ないのです。

 あえてのように基準を低く保ちながら、省エネ・エコを誇大広告して、20年でスクラップアンドビルドを繰り返す負のルーティンから、早く気付いた人から抜けていかなければならないのではないでしょうか。そう考えると、すでに量産規格住宅の時代は終わっていて、その土地に、誰がどんな暮らしをするかをしっかり熟慮したカスタムメイドの住まいを、時間をかけて建てていく時代を構築していかなければならないのだと思うのです。考える事は、苦痛ではありません。むしろ、考える葦、人間に取っては至福の行為なのですから。(おわり)

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| 住まいづくりのヒント | 14:07 | comments(0) | - |
住まいのバランス「コストと快適と性能」4

 外皮性能が良い事は、省エネ住宅の大前提ではあるけれども、それは第一歩であり全てではないと書きました。問題は、どんな気候条件のどんな形状の土地に、どっち向きに窓を穿ち、太陽の力を借りながら冬を暮らし、夏はそれを遮り無駄な熱を取り込まないで暮らす知恵が必要なのです。統一間取り、統一仕様の限界はそこにあり、大手メーカーでは絶対に出来ない住まいづくりと言え事が出来るかもしれません。パッシブデザインと言う言葉もよく使われるようになりましたが、そう言う要素を配慮しない外皮だけの性能は、少しパランスに欠けると言わざるを得ません。住まいの熱性能が高度化すればするほど、室内環境はデリケートなものになって、「強化断熱した箱をポンと置きました」的な性能の魅せ方は、ちょっと実態とはずれてしまう危険性を孕んでいるのです。つまり、高性能化するほどに、規格住宅ではなく、個別の土地に練り上げて建てられるカスタムオーダーの必要性が出て来ると言う事が出来ます。生涯に一度建てられる住まいですから、それくらい手間をかけても良いと私などは思い、一棟一棟に時間を使い企画立案をしています。

 快適性の中には、温熱のストレスがない事は大前提ですが、またそればかりでもありません。実は地の利やその場所の風土、社会と住まい手の関わり方、周辺地域との親和性あらゆる要素が複合的にあなたの暮らしの快適性を決めていきます。安直に余り何も考えず、性能が良いと喧伝される箱のような気各住宅をそこに置くだけでは、理想的な住まいづくりとはまだ少し距離があるような気がしてなりません。

 人口減少と少子高齢化で国の規模が少し小さくなる方向へ進まざるを得ないこの国にあって、時間の流れを少し減速させるような感覚は必要ではないかなと思うのですが、スクラップアンドビルドは安直に建てられる分だけ安直に壊されます。ここからどうやってシフトしていくかが、この国の緊急の課題だといつも想うのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:30 | comments(0) | - |
住まいのバランス「コストと快適と性能」3

 そもそもが、カスタムオーダーのものと、量産のものとで手間暇も全く違う状態ですから、カスタムの方が高額になり勝ちですが、最近の傾向として、ブランド力の反映か、量産住宅の中で性能を上げていくと言う事が負担なのか案外ハイスペックのものは量産住宅でも高価なので、見比べればそれほど変わらないか、逆の傾向も見受けられます。性能を例えばUa値で判断したりしていくと、かえって我々のほうが値ごろ感が出ていたりするから不思議です。まあ、あれだけ広告をしたり営業マンを抱えるのですから、利幅がとんでもない事になっているのは自明ですね。ここまで書いても、やはり「いや、やはり大手のブランド力が…」と仰られれば、何を申し上げても仕方ないかもしれません。コストも性能もそして本当の快適性も優位だと言う選択肢をお示して後は、価値観の問題です。

 ただ、唯一申し上げなければならないのは、もうこの国はスクラップアンドビルドを頻繁に繰り返す消費文化の渦中にいてはいけないし、むしろ持続可能な環境負荷の少ない社会の構築に一気にシフトしなければ将来が見えて来ない現状にあるということではないでしょうか。日本という国だけのお話しではなくて、世界がその方向に進んでいく中で、周回遅れでスクラップアンドビルドを繰り返しているこの国は、今後各国からその指摘を受けていくのは必死です。コストもそれなりに掛かり、性能も中途半端なものがか多く、想定では20年あたりで償却してしまう住まいづくりを私はどうしてもお奨めできないのです。

 もっと言えば、住まいの性能を一定以上から更に上げようと思えば、統一間取り、統一仕様では限界があります。メーカーが宣伝する外皮性能は、実は性能アップの第一歩であり最初の入り口です。統一間取り、統一仕様で進めるにはここどまりなのです。本当は、地産地消、どんな地形にどっち向きに、どんな形でと言う部分がなければ、そこから先に高性能化は難しいのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:21 | comments(0) | - |
住まいのバランス「コストと快適と性能」2

 例えば、世界的に先進の「認定パッシブハウス」は、ドイツ国際パッシブハウス研究所がその性能に値する住宅にのみに認定を出す最高レベルの性能を誇りますが、この10年ジワジワと国内でも棟数を増やし、今では数十棟になっています。私たちが取り組んだ福岡パツシブハウスもそのひとつで、9年前に認定を受けていますが、この認定パッシブハウスは全て、各地のお仲間である中小の設計事務所やビルダーが取り組んだプロジェクトなのです。はっきり言えば、大手のハウスメーカーはまだその域に達してはいないのです。こういうと、にわかに信じて頂けないかもしれませんが、少し調べて頂ければすぐに分かる事実です。「パッシブハウス」とか「パッシブデザイン」とかいう言葉も最近は乱用が目立ち、私たちが「パッシブハウス」といえば研究所がお墨付きを出した認定パッシブハウスしか呼称しませんが、何となくハイスペックなイメージを演出できるこの言葉は至る所で使われすぎているきらいもあるのです。「パッシブ」とは、「受動的な」という意味ですが、アクティブの反対語として、地の利を使い、冬の太陽光を暖房補助として利用し、夏は遮蔽して熱の流入を防ぐ知恵を意味し、パッシブハウスとはその知恵の結晶で消費エネルギーを極限まで減らした快適な住まいの呼称なのです。

 昨今の傾向は外皮性能「Ua値」のみを取り上げ、「我々が日本一」を豪語する大手メーカーもありますが、どんな日本一なのか理解に苦しみます。俯瞰すれば、海外資材で固めたスペックの割には決して安くないし、外皮性能だけでは「超高性能な保温箱を作りました」と言っているだけで、それだけで省エネで快適かと言えば、あらゆるバランスをとらなければ、オーバーヒートしたり省エネにならなかったりと言う要素も拭えていないのです(勿論、Ua値的にもパッシブハウス基準はそういうものよりも数段上です)。まあ、「大手メーカー内では…」と冠を付ければ嘘ではない部分もあるので難しいですが、大半のみなさんが地域の住宅展示場へ赴く所から始まる住まいづくりでは、あたかもこの「日本一」が真実のように思われてしまう危険性があるので少々問題なのです。性能もコストもそして快適性についても、与えられるワンパッケージではなくて、自ら考えてバランスを整えてオーダーする時代にきていると言っても良いのかもしれません。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:05 | comments(0) | - |
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