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ミニマルライフが始まっています。2

 住まいが小さくなるとその寸法が全て肉迫してきます。つまり、ゆとりがない分、沢山工夫しなければ何処かに不具合が出てしまう。あちらを立てればこちらが立たずと言う事が往々にして起こるのです。その肉迫した寸法を少しずつ全体の中で調整していくのですが、二次元的な平面に終始するのではなく、立体的に視線の抜きどころを設けたり、借景として取り込める窓の配置を工夫したりをとにかく徹底する事で圧迫感のない伸びのある空間を実現していきました。また、階段、廊下、収納といったしばしば狭小になるほどに虐められていく部分に関しては弊社の標準仕様から遜色のないようにしています。面積を小さくしたからといって、そう言う部分を虐めては、日常に支障が生まれなんにもならないからです。オープンハウスに起こしになった皆さんが、口々に「本当に27坪切ってるの?」と言ってくださったのには、そういう工夫が功を奏しているためかもしれません。

 土地や予算の条件からはじき出した規模ですが、普通に考えると坪単価×床面積(坪数)=予算という公式により、坪単価を希釈して規模を確保すると言うやり方が一般的です。それでは、満足度の低い性能の形ばかりの家になってしまいます。しかしHOUSE-Mはこの発想を根底から取り払いました。まず、HEAT20のG2グレードを下限として、性能を担保する所から発想して積み上げていった結果ですので、小さいながらも満足度の高い空間となっているのです。お引っ越し前で、メインエアコンを取り付ける前の状態でのオープンハウスで、1階の予備の6畳用エアコンで温度制御してのお披露目でしたが、皆さんはそのことにまず驚かれました。会期中は雨模様でムシムシと変な気候でしたが、室内は快適に保たれていたのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
ミニマルライフが始まっています。1

 先日オープンハウスを開催して、その後すぐお引き渡しをしたHOUSE-Mでは、ご家族の日常が始まっています。ミニマルな空間での暮らし故に、お引っ越しで荷物が入り始めた時には徐々に空間を段ポールの山が埋め尽くし始め、この先どうなる事か思いましたが、それも徐々に片付き始めました。皆が喜々として片付けものをする姿を見るにつけ、関わって良かったなと思います。大人4人のご家族が、27坪を切る空間で暮らすと言うこのエリアで考えれば少々窮屈な器を提案した私も、やはりその後の事が気になりますから、事あるごとによってご挨拶するのですが、ご家族の反応は良好で、沢山のお褒めのお言葉を頂いています。

 オープンハウスのときもご参加の皆様から、「見ればこれで充分な気がする」というご意見が大半だった。日本人の暮らしと言うものは、いつしか沢山の安近短に希釈されて、味気ない薄味のものになってしまっているのではないだろうかと言う思いを形にしたのですが、今回多くの方にその想いが伝わった気がしています。お母様が繁々と「もとの家と変わらない、むしろ小さくなったのに、こんなに広々とした家になるなんて、何だか狐につままれている感じで、すごいですね。本当に嬉しい」と言ってくださいました。長年旧宅で錯綜する動線と使い勝手の厳しい住まいで家事を担って来られたお母様の実感のこもったお言葉でした。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
愛着仕様の住まいのためにできること。5

 さて、この稿の最後です。「愛着」というテーマでお話ししてきました。どんなに頑丈に創っても、どんな快適な性能を実現しても、その住まいが住まい手にとって「愛着」の持てるものでなければ話になりません。常日頃から私は住まいに「消費税」がかかっている事に疑問を投げかけています。これは、住まいも消費するものと言う認識のもとの政策でしょうか。10月から一割にもなる住まいづくりの消費税が、どれほど住まいづくりの予算に重大な影響を与えているか考えてもらいたい。本来住まいは、消費とは真逆に、創り、済み始めてから育てていくものだと想います。愛着をもち、手入れをして、何十年も大切に温存できていく住まいのスタートに、一割の負担を強いる消費税は、そこから始まる住まいのスタートに大きなダメージを与えるものです。そういう発想から変えていかなければ、この国の住まいは良くならないのではないだろうかと想ったりします。

 愛着を持つために、住まいはきっと、買っちゃいけない。創らなければならない。育てるのです。しっかりとしたプロセスを共有しながら、育てていくべきものなのだと想います。全てがその場限り、実は短い時間スパンで、貨幣価値のみで計る世の中が続いています。そんな中で人が済む住まいは、単なる愛着が持てない「箱」に成り下がってはいないかといつも想ってしまうのです。住まい手も、数字の性能スペックは気になっても(ベースとして大切な事ですから出来て当り前ですが)どんな暮らしをするかと言う部分に想像力を働かさない住まいづくりに終始しては、建てた瞬間が絶頂で、どんどん劣化してしまう住まいになってしまう可能性が高いのです。弊社のお客様とのお付き合いは15年、20年と続き、手入れや時代に合わせたアレンジのご相談も良く受けます。「この住まいで良かった。ありがとう」と言われるのが何よりのご褒美ですが、本来の住まいづくりの時間スパンとは、そんなものだと思うのです。

 安近短はほんとうの満足度に至る事なく、消費され、寂寥感だけが残るものだと想ったりします。住まいは私たちの暮らしのベースです。これだけは、安直にお仕着せのものを買うのではなく、位置から構築して「創る」ものであるべきだと想います。誤解を恐れずに言えば、「愛着」ことが、何よりの耐久性であり、また、性能であると想ったりするのです。お手伝いします。あなたのためだけの住まいづくり。(おわり)

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| 住まいづくりのヒント | 07:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
愛着仕様の住まいのためにできること。4

 住まいは住まい手の日々の暮らしの具現化です。朝どのように起きて、誰と何を語って食べて何をして過ごすかということを具体的な形にしていくものです。単純に、性能の良い「箱」頑丈な「箱」を創るだけなら簡単ですが、繊細な人の心と身体を包み込む日常の場としての「住まい」は、そんなに簡単なものでもないと想うのです。大昔、人は多くの動物がそうであるように、自分の住処を自分で創りました。巣作りは生きている根源と行ってもよいかもしれませんね。それが、一人では大変だと言う事で地域のコミュニティーで協力して建てるようになりました。地方の民家の合理性のある共通したデザインはそんなところから産まれ始めたのかもしれませんね。それがやがて段々専門業となり、地域の材木供給業者が職人さんを斡旋したりして専業化していきました。それでも戦前までは地域の材料と人の手に寄って、住まい手を見つめた住まいづくりが行われていたようにも想います。

 戦後の住宅難は、とにかく早く大量に住宅供給を実現する事が急務でした。よの巨大住宅メーカーのほとんどのルーツは、この辺りにあります。住まいが、考えて創る時代から、作って売る商品になった瞬間です。その時代のニーズとして、必要だった事は事実ですが、地方色や、個性も地場の伝統や材料、職人の供給体制を破壊するに余りあるものでした。今も、各地の住宅展示場に行くと、列島縦断して同じような企画住宅が並んでいるのを見ると、私などは不自然さしか感じませんが、大多数の日本の住まいづくりがそういうシステムのもとに作られているのは事実です。

 少子高齢化で、少なくとも縮小傾向にある経済と家余りの現状からして、今も戦後の住宅難のときの体制で住まいが造られているのは残念だと想ったりするのです。

 考える事は、一見面倒くさいようですが、その面倒くさい所を請け負うのが、私たち設計事務所です。一杯考えなければ、愛着はわいてきません。どうせなら、一杯考えた住まいを手に入れませんか?

何気ない日常がストレスなく、スムーズで、かつ何となくウキウキするような時間になるような仕掛けを一杯埋め込む事が、住まいづくりの本来だと想うのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:41 | comments(0) | trackbacks(0) |
愛着仕様の住まいのためにできること。3

 それでは、「愛着」いうものはどんなものでしょうか。ひと言で言えば、「思い」なのです。どれだけその住まいに思いをかけられるかと言う事なのですが、最近の風潮としてあらゆるモノ・コトがドライに片付けられて、安近短が理想とするなかで思いを込めていくことはなかなか難しい。ひとえに、貨幣価値と言う一元的な価値観で結果だけで物事を進めれば、「思い」などというものは置き去りにされていく事は自明の事なのです。私は逆に、住まいづくりは「プロセス」だと言います。誰とどう考えて、どんな時間を使って、どう一つ一つ納得しながら住まいづくりをしたかが大切なのだと想います。「いくらで、どんな性能の住まいをどれくらい短期間で建てるか」というところばかりが問われますが、それはプロセスを無視した物差しだと想います。建ってしまえばそれで終わりであればそれで構わないのですが、実は住まいは出来上がってからが始まりです。住まい始めてからどんどん愛着が増していくような住まいづくりをしたいものです。最近の傾向として、「いくらでどんな性能でどれくらいの時間で建つのか」と矢継ぎ早に質問をされるのですが、こちらから「ではどんな住まいを建てたいのですか?」とお伺いするとなかなか返答が返って来ないと言う場合が少なくありません.申し上げたように、一元的な結果に注視するあまり、住まいの本来のあり方に関しては、骨抜きになってしまうという事だと想います。その部分が不安で仕方ない業界の責任も大きいのですが、本来住まいはどんな暮らしをするために、どんな住まいを建てるかと言う事が一番大切です。

 弊社ではまず、かなり詳細なアンケートで情報共有をした上で、価値観を共有するべく様々な話題のお話しをさせて頂きます。その上で、そう言う暮らしにはこんな住まいが良いのではないかと言う提案をしていくのです。具体的に、「どんな住まいか」の部分は我々が知恵を搾り分担するとして、「どんな暮らしをするか」の部分をじっくり考えて頂きたい。「考えない事が便利」という風潮は蔓延していますが、こと「住まい」に関しては、それではフィット感と愛着に繋がっていかないのだと想います。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
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