建築YA「髭」のCOLUMN

福岡を中心に住まいづくりをする建築YAのコラム
さて、エコハウス元年たるか。 1
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     私が歩いて来たこの30年の流れを見れば、これまで一部の志のある人たちで先導して来た高性能住宅が、近年、社会現象のように取りざたされて、いよいよ拡大の加速が著しい段階に入って来たように思えてなりません。時折見る大手住宅メーカーのテレビCMは、「あったかい」を連呼していますし、2020年に省エネ基準全棟義務化というテーマがこれまで予定されてきた影響もあるのかもしれません。大手もおちおちしていられないと言うところでしょうか。義務化は先送りムードで一杯ですが、少なからずここまでその対策を強いて来た貢献度はあるのかもしれません。皆が高性能を目指せば、そのことだけで差別化は難しくなり、むしろ自然にそれが標準になっていくと言うのは喜ばしいことだと思います。今年なってとみにそう言うCMを目にする頻度も増えてますし、いよいよ悲願の「高性能が普通性能」になる時代の幕開けかもしれません。元号も変わる今年が、エコハウス元年とでも言いましょうか。そんな予感もしなくはないです。

     ただ、志し高く取り組む人々のコアな仕事である時代は、前に突き進むばかりで心配ないのですが、もしそれが時代のニーズだと万人が気付き始めたら、それは商売ネタとしてもタイムリーで旨味もあると言うことですから、それに食指が伸びる連中もこぞって参入して来るという危険性も同時に発生し始めます。困るのは実際に住まいを建てようとする住まい手の皆さんで、真贋の見極めがより難しくなっていく時代だとも言えなくもないのです。しかも「義務化先送り」だという…。この事の影響と今後について考えてみたいと思います。(つづく)

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    | 住まいづくりのヒント | 07:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
    【真夜中のつぶやき】恩師
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       先日、御年78歳になられる中学の時の恩師から賀状の礼状が届いた。国語の先生で二年の時の担任である。「いつもご活躍を嬉しく思う」と綴られて、年齢は重ねたが自分も気概は変わらわぬと締めくくられていた。流石だ。当時まだ小さな子供さんがおられたご婦人だったが、そんなお年になられたかと驚いた。何かにつけ髭に読書の習慣を懇々と説いてくださった恩師である。中学生の髭に、「あなたはきっと先生になりなさい。あなたにはきっとそれが向いている。」とずっと言ってくださっていた。高校受験で早々に高専の建築を志望すると、しばらく口をきいてくださらなかった。笑。先生の教育者への導きはそれ程マジだったのかもしれない。

       高専に入り学年が進むと、高等数学にいさささか挫折し、反動で図書館にこもるようになった。日々読書三昧し、原稿用紙に向かい、小説や芝居の真似事を書くようになっていた。夜な夜なジャズ喫茶に出入りして、何をやりたいのか皆目見えない。モラトリアムの塊だった。時折恩師に連絡すると、つたない書いたものを丁寧に読んでくださり率直な感想をくださった。今から思えば、ままごとのような戯れ言に良くおつき合い頂き、お恥ずかしいやら有り難いやら。卒業の時に、学科長から「お前だけは変わり種だから、建築ではなく新聞記者にでもなるのかと思ったよ」と笑われたが、まさに正義感むき出しでペンを握りしめ、暗闇でジャズを聴いてる青二才はそのように映ったのだろう。

       今から思えば、あっちぶつかりこっちぶつかり、あげくの髭がある。ただ、片時たりとも無駄はない。住まいづくりには勿論工学も出来なければならないが、人文的な素養は不可欠だ。それがなければ仕事が無味乾燥になってしまう。情緒を汲み取りかたちにするしごとなのだ。先生に背いたが、のちに非常勤講師を10年務めて後進の指導も経験した。10年の充実した教え子たちとの時間を思えば、先生の洞察は的を射ていたのかもしれない。背いた髭の活躍を喜び、また、自分も気概は変わらないと結ぶ。流石だ。人生は面白い。まるで仕組まれたように織りなされていく時間が、振り返れば楽しくもあり、また切なくもありだ。

       すこし落ちついたら、先生を訪ねてみようか。

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      | エッセイ | 23:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
      住まいづくりで性能が語られない日をめざして。5
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         最近の大手住宅メーカーのテレビCMを見ても、その戦略を高性能へ急激にシフトしていることがわかります。「暖かい」を連発し、エコ・省エネ住宅をいかにも先導しているようなイメージ戦略(現実を言えば地方のスーパー工務店の方が確実に進んでいます)は、これからのマーケティングを的確に掴んでのことだろうと思います。大手メーカーが、ただ悪いと言っている訳ではありませんが、大手には何処まで行っても出来る限界があります。大手の性能にもついていけないのは論外ですが、逆に地方中小だからこそ、もっとスピード感を持って高度な進化形にシフトすることが出来るチャンスだと私などは考えます。地域の気候風土、文化に根ざした住まいづくりを的確な表現で住まい手に届けることが出来れば、きっと大手よりも魅力を発揮すると思うのです。性能は数値で表現できますから、大手も中小も、中央も地方もありません。いわゆる全国区ブランドだけでは評価できないのです。真摯に勉強し高性能化へばく進できる設計事務所・工務店であれば、土俵は同じです。地域密着型の超高性能で勝負できる状況が整いつつあるのだと実感します。この上は、地域密着の設計事務所と施工店が固くタッグを組み、全国区では出来ない魅力的なエコハウスを創り出す時代の到来だと思います。自覚して、高見へ上るべきだと思います。

         やがて性能など当り前の時代がきたら、住まい手もきっと性能値の数字などから開放されて、別のことを吟味し始めると思います。それは、自分が住むに値する魅力を持っているかということです。数値化できる部分の担保が出来れば、それ以上そのことには頓着しなくなります。むしろ別の魅力、「箱」ではない人の住まいとしての魅力を探し始めるのだと思います。弊社は長年、「デザインするものは、色・かたち・素材、そして空気質」というキャッチを使っています。性能を担保することは当り前として、意匠デザイン、機能性、そして経済性も含めたトータルなデザインをモットーに仕事をするようにしています。性能もその一部分、今後もその姿勢は変わりません。長年の弊社の歩みの先に、これからがあると実の引き締まる思いで精進したいと思っています。(おわり)

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        | 住まいづくりのヒント | 07:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
        パッシブハウスジャパン9周年記念大会in福岡開催!!参加申し込み中
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          弊社も賛助会員として長年参加しております一般(社)法人パッシブハウスジャパンでは、来たる3月20日(水)に9周年記念大会を開催することになっております。例年は東京開催が常でしたが、今年は何と初の地方開催として「福岡」の地が選定され、その準備に追われています。全国のエコハウスの強者が一同に会して、これからの日本の住まいをテーマに大いに盛り上がります。今回の目玉はパッシブハウス認定が今後国内の審査で認定可能になってくることをふまえて、国内認定プロセスのご紹介やドイツパッシブハウス研究所開発のソフトPHPP日本語版の解説など、また衣食住共通のテーマとして私たちの暮らしのあり方を問題提起する映画上映など盛りだくさんの内容となっております。及ばずながら、私も実行委員長の大役を仰せつかり皆様の起こしをお迎え致します。基本的にはクローズのイベントですが、賛助会員のご照会があればゲストとして参加可能です。賛助会員リストをご覧になり、お近くの賛助会員にお問い合わせください。すでにWEB申し込みが始っております。エコハウスや省エネ住宅にご興味のある方は、パッシブハウスジャパンのHP(弊社のHPからもリンクからジャンプできます)をご確認ください。例年のごとく、大会のあとの懇親会はハイアットリージェンシー福岡での大ビンゴ大会もご用意。皆様是非ご参加ご検討ください。

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          | 建築・デザイン | 16:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
          住まいづくりで性能が語られない日をめざして。4
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             私たちは今後、高性能な「箱」を作っていくことに終始するのでしょうか。普遍的なもの・合理的なもの・機能的なものは「文明」だと司馬遼太郎の言葉を引用して例えました。しばらくは、この性能競争が続き、やがて飽和していくのでしょうから必要な時間なのかも知れません。しかし、実際に住まい手にとってはそれだけで良い筈はないのです。いずれ、文明が行き渡れば文化を再考する時がきます。近代建築の父、モダニスト、コルビュジェの「住宅は住むための機械である」という言葉は余りにも有名ですが、彼をしても字面の通りのことだけを実践した人ではありません。ショッキングな言葉が切り取られて一人歩きして、様々な誤解も多いですが、同時に彼は「家は、暮らしの宝箱でなくてはならない」とも語っているのです。現実の彼の空間を体験すると、そのドラマチックでバランスのとれた能弁さに驚かされます。「暮らし」という時間軸をふまえての宝物を沢山内包する「宝箱」を私たちは提案していく必要があるのだと思います。

             温度に右往左往することなく、身体へのストレスからも開放された先は、どんな空間でどう暮らすかという事が本来の問われ方をしていくのだと思います。そこへ踏み入って更に上を見ていかなければ、この国の住まいは良いものにはなっていかないでしょう。外皮を高性能にすることによって、設計の自由度は更に増すと私などは言いつづけています。昨年末の国交省の意見とは真反対ですが、住まい手の暮らしを慮れば、それまで作れなかった吹き抜けはむしろ歓迎ですし、むやみに間仕切らなくても伸びのある空間を構築することが可能になります。平面の「間取り」から、立体の空間構成へと自由度は増えると思います。勿論、中途半端なものは駄目ですが、それまでの既成概念が覆されるほどに自由になると思います。この度の国交省の報告書にもあるように、意匠性と相容れないというご意見も時折見受けられますが、おそらく徹底した性能担保を試みたことがない実務者の意見としか思えないのです。

             行政上の手続きでも、施工難度でも、利益の歩留まりでもなく、住まい手のことを考えると進化の速度は止まらないのだろうと思われます。(つづく)

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            | 住まいづくりのヒント | 07:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
            【真夜中のつぶやき】カラスの勝手でしょー!
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               近年思うのは、暦の休日の多さである。まぁ、お前がワーカーホリックだと言われてしまえば(笑)それだけのお話しだが、七日間のうちの土日だけでも間が空くのに、振替休日や祭日で三連休もしょっちゅう。なんと今年のGWは10連休になるというではないか。何処まで休めば良いと言うのだろうか。と言いながら髭は休まないが(笑)、近頃とみにこの傾向が著しい。月曜日に案件が始って、対応で電話やメールでやり取りをしていると、行きつ戻りつで水曜くらいになってしまう。そのうち話がこじれると木金といつの間にか終って、もう翌月曜まで物事が動かない。寄る年並に時の流れが速く感じられているから、その感覚はさらに拍車がかかる。気ぜわしいのに物事が進まない。髭は周りの者にせっかちだとよく言われるが、せっかちで結構、カラスの勝手でしょってやんでい。

               昔から、勤勉で働き者だと言われつづけた日本人。戦後の焦土から75年の復興の目覚ましさは、まさにそう言うものに支えられて来たのだと思う。ただ、今はどうか。日本人は働き過ぎだ、もっと休日をとりエンジョイし、豊かに…。では休日が増えて皆の暮らしは豊かになったのだろうか。問題はそこである。先頃、厚生労働省の雇用調査がいい加減なデータだということが暴露されて、終始強気な現政権の有効求人倍率の向上や賃金上昇のお題目はなんだかその根拠すら怪しいものに見えて来ている。皆さん「豊かだ」「恵まれている」と上から言われつづけて、本当に実感がありますか?

               本当の豊かさは、生涯をかけれるほどに自分の天職だと思える仕事につけて幾ばくかの報酬で暮らせれば、そんなに休まずとも、お為ごかしに休みを強要されるよりもよほど豊かではないかと思ったりする。髭の場合、休めないのでは多分ない。好きな仕事が出来て変なストレスもなく、多分休まなくても良いから休まないのだ。休みになって、それ程自由になる資金もなければ、スマホをいじって引きこもり、ゲームに興じるくらいだとしたら、その何処が豊かなのだろうか。

               いずれにしても、他人から言われて起こしたアクションが頂けない。仕事も、休日も自分裁量で良いではないか。最近の政治はいちいちが、ひと言で言えばお為ごかし。

               昔、童謡で、「かーらあす、なぜなくの?からすはやーまーにー」という歌の替え歌で、「カラスの勝手でしょー!」というのが流行ったことがある。やれ何時間働けとか、逆に休めとか言われると、口をとんがらせて言いたくなる。「カラスの勝手でしょー!」と。

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              | エッセイ | 23:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
              住まいづくりで性能が語られない日をめざして。3
              0

                 さて、これから高性能住宅が普及して、誰もが高性能住宅をごく普通だと思えば、それは高性能でもなんでもなく「普通の家」になります。しばらくこの分野で人よりも商売をしたいと思っている方には申し訳ありませんが、私たちが何とかこの国に根付かせたいのはそう言う状況です。つまり、住まい手の命を確実に守り、安全かつ快適であること。これを担保した住まいが建てられることは、当り前だと思います。それを当り前の起点にしたい。さらに言えば、変動する地球環境を思えば、なるべくならば我々の存在が、環境悪化に繋がらないエコな住まいであるべきです。そう言うものを一般化したいのです。逆にいえば、そうでない住まいを建てない風潮を形成したいのです。

                 作家、司馬遼太郎の言葉を借りれば、「文明」とは「たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」を差し、「文化」とはむしろ不合理なもの、たとえば民族などの集団においてのみ通用する特殊なもので、他に及ぼしがたい。つまりは普遍的でないものをさすのだと言います。であれば、「住まい手の命を確実に守り、安全かつ快適であること」そして環境負荷も少ないことは普遍的なテーマであり、ドイツだろうが日本だろうが変わらないとは思いませんか?つまりそれは「文明」の部分なのだと思います。木の上や洞窟から、自分たちの住処を地上に建設し始めたように、その部分で発展途上だったこれまでよりも進化して、文明が開花すると言う訳です。この段階で「日本は…」という言い方は、文化論であって、安全快適エコの部分を妨げる部分ではないと思ったりします。勿論、文明が開花すれば、それを自分たちの文化にしていかなければなりませんが…。(つづく)

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                | 住まいづくりのヒント | 07:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
                住まいづくりで性能が語られない日をめざして。2
                0

                   時の経つのは早いもので、「福岡パッシブハウス」を手がけたのがもう7年前になります。「パッシブハウス」とは、ドイツの国際パッシブハウス研究所が定める性能基準をクリアした認定案件に与えられる名称です。当時国内でのパッシブハウスとしては当時全国3棟目。かなりレアでした。すべてが手探りで、解析ソフトは森みわさんが駆使するPHPPの原版のみで私たちには申し訳なくもさっぱりの状態。解析を進めて頂きながら、私の方ではその性能を日本の木軸在来プレカット工法のディテールに落とし込む作業が続きました。参照するものが殆どないところからの作業ではありましたが、一般の方の抱く「手の届かない超高性能」というイメージは私にはむしろなく、実践してみると更に遡ること20年前から、北海道に学び始めた高性能住宅を九州で実践して来たその経験の延長線上にあるという実感で、むしろ自分の経験がそのままこれからは「パッシブハウス」に活かせると嬉しかったことをよく覚えています。以来「パッシブハウス」は荒唐無稽な外国の基準ではなく、実現可能な理想的基準という感覚を持ちました。今では認定物件も全国に増え、日本語版のアプリケーションソフトも開発されました。あらゆる状況は随分進んだ気がします。

                   今、まさに文明開化の夜明け前という気がするのですが、急に「省エネ」「エコハウス」と言う言葉が脚光を浴び始めて、その弊害も出ないとも限りません。長年の経験と、パッシブハウスが繋がった経験をふまえると、やはり大原則となる基本はひとつだと言うことだと思います。とかく亜流が様々なところで湧いては消えていきますが、原理原則はそれほどシンプルだと言うことだと思います。その上で、この方法論が徐々に普及すれば、ある意味私たちはやがて性能を論じる必要がなくなるということになります。それがベースになると言うことです。私たちは単なる高性能な箱を創っている訳ではありません。そこから先が実は重要なのです。(つづく)

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                  | 住まいづくりのヒント | 07:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  【真夜中のつぶやき】 磨くべきもの
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                     髭のような仕事は、時折「センス」などという厄介な言葉につきまとわれる。「センスいいですねー」と言われると、こっ恥ずかしいし、「センス疑うよね」という何処からともなく聞こえるささやきには突然身体が硬直する(笑)。審美眼には程遠い自分で、恐ろしくてそんな言葉をほとんど使わない。ただ、仕事となればそれなりのクオリティーは求められてしかるべきだし、そのための日々研鑽は当然のことだと思ってる。

                     髭の幼き日は、そんな素養を養う家庭環境では決してなかった。祖父の代から土木の大きな請負をする職人気質な家に産まれた。中学の時に皆がそうだったように、お年玉を貯めて念願のギターを買い、意気揚々と帰宅した。仕事で留守がちな父親がたまたま帰宅していて、晩酌(そんな言葉よりはもっと野趣溢れる雰囲気だったが笑)途中の座からまざまざとこちらを見て、「ついに歌舞音曲に手を染めるか…男のくせに」と吐き捨てたのを今でも鮮明に記憶している。まさに、親子断絶の始まり(笑)である。以来、価値観の相違は埋まることはなく今日がある。我が血を分けた息子の所業は、父親にしてみればまるで宇宙人だったに違いない。今更ながら人の親になってみて、その台詞の嘆きが少なからず理解できたりする。お陰様をもって、髭は中学を出て早々に親元を飛び出して高専に進み、寮生活をしながら自分探しを始めることが出来た。随分当時はませたガキだったに違いない。師と仰ぐは、世間様。あらゆる刺激が有り難かった。貧乏学生ながら、駅前のジャズ喫茶や古書店が今の素養の根源かもしれないとよく思う。お金などなくても、そこに居ることが出来た時代の不思議がつくづく有り難い。巡り会った人々が先生だった。音楽。美術。文学。映画。思えばそこから始った。

                     親の庇護の元ではきっとそんな刺激が肉迫して来ない。親離れの為に遠くの進路を早々に決めた髭の奇策に呆然とするだけだった親には感謝する。考えれば、わが子可愛しとお仕着せの居場所をあてがってくれる親などと言うものは、子の妨げになっても決して為にはならないのではないだろうか。二世三世の、ふんぞり返って威張るばかりで、嘘ばかりの政治家を見るにつけそう思う。「センス」という手っ取り早い学問がないのならば、とりあえずは自分なりの経験を幾重にも塗り重ねていくしかないのではないだろうか。

                    善し悪しは別としてそれがその人の「センス」なのだから。

                     聴けば、成人がやがて18歳になるという。私などは15歳でも良いかもと思う。そのかわり、自分の方から親離れをしなければ大人ではない。親から子離れは今の時代難しいようにも思う。まずは男も女も関係ない、その日から自分のパンツは自分で洗え、と言いたいのである。笑。

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                    住まいづくりで性能が語られない日をめざして。1
                    0

                       年末から、住まいの温熱性能を語る語調がいささかヒートアップしすぎていたかもしれません。国交省の省エネ基準全棟義務化が先送りされるかもしれないという情けない一報に、業界人として怒りを通り越して情けなさ、悲しさを覚えたからです。同じように思われたご同業も少なくないと思いますが、今まさに、私たちはあらゆる選択肢を自分自身に取り戻さなければならない時だと私などは再認識しました。「国の基準など当てにしていてはろくな家にならない」と言い捨てるのは少し乱暴になってしまいますが、そこに右往左往していると、きっとこの国は周回遅れの現状からさらにガラパゴス化して、省エネ先進国からすれば、「我慢と浪費を好んで続けている不思議な国」という見え方がしていくのかもしれません。

                       くれぐれも、「エコハウス」とか、「トップランナー基準クリア」なんて見出しに踊らされることのないようにしたいものです。現在のトップランナー基準は、住まいの温熱基準としては当然クリアするべきごくごく普通の状態で、これからはそんな大枠を越えた、グロスでは越えることが出来ないきめ細やかな住まいづくりがされるべき時代です。地域の地産地消のずば抜けて性能が出せる設計者や施工店がそれを担うべき時代だと確信します。

                       常日頃、住まいの温熱性能のことばかり書いていますが、本当は早くそう言う部分をクリアしたい。それが本音です。住まいのすべてが、安全で快適な性能になれば、そんなことは語る必要がなくなる訳で、それは未開の地に文明が宿るのに似ています。躍起に進めようとしている全国のお仲間も、結局は文明を根付かせようとしている。これが当り前になれば、そう言うことを語らなくて良い時代になります。誰もがそんな住まいで暮らすことが出来れば、ただそれだけです。しかし、住まいづくりはそれではまだ駄目だと私は思います。そこがゼロスタート。今回はそんなお話です。(つづく)

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                      | 住まいづくりのヒント | 07:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
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