もう日付が過ぎてしまった。毎年、3.11には当時のことをこのコラムに書いている。今年も決して忘れたわけではないけれど、いつもと同じ、視察先の宮崎県の日向市で津波警報を受けて川上に避難した話を書いて、行きすぎて良いものか躊躇いがあったのだ。
震災に伴う原発事故以来、省エネ意識やエネルギー体制に進展がなかったわけではないと思う。ただ、コロナ禍やウクライナの戦争などで、資源のないこの国は、またエネルギー問題で恐ろしい原発を持ち出し、事故前でさえ40年と期限を切って稼働して廃炉というルールだったものを60年に延長させて稼働させるなどという舵取りを始めている。あれだけ恐ろしい現実を目の当たりにして、今もなお深い傷を残したままの原発事故を経て、誰もろくに責任を取らないまま、さらに稼働延長だという。世界の潮流からすれば、180°方向違いへ加速している。汚染水の海洋投棄の問題も、とんとメディアが取り上げなくなった。所謂、風化だろうか。とにかく、腹立たしく悲しい。
正直、再生可能エネルギーの作成コストはずいぶんこなれた物になっているし、国防費ばかり増大させ、個人を切り捨てる風潮がいよいよきな臭い。考えてみてほしい。全国に散らばっている原発は、もしも有事の時に核弾頭など積んでいなくても、相手は普通の爆撃弾だったとしてもそこに落とせば、完全な「核」になり得る話なのだ。核と安全保障とエネルギー問題、そして3.11で明らかになった私たちの社会の有り様をトータルに考えなければならないのではないだろうか。そんなことを考ているうちに、押し黙って日付が変わっいてしまった。とにかく、戦争反対。原発再稼働反対。
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