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住まいを創るということをもう一度考えたい。1

 住まいを新しく「新築」するという、太古の昔から繰り返されてきた人の営みを、自分の生業としている者の一人として、この国の戦後のスクラップアンドビルドに対して、些かでも抵抗したいと言う思いがずっとあります。

 これからそれが続いて良いとも思いませんし、続ける事が出来るとも思いません。本来、日本人が持っていた感覚とも少しズレがあるスクラップアンドビルドの感覚が、いつの間にか余りためらいもなく根付いてしまっている現状を、その根底から少し修正しなければならないのだと思いますが、一度根付いたものの払拭はなかなか難しいものもあります。戦後の焼け野原は、土建立国として華々しく経済成長する舞台としては非常に都合が良かった訳ですが、狭い国土を今日までいじり倒した結果として、飽和している都市部を再び壊しては建てると言う感じで更新していく事で、回っている経済を維持しようという流れは一個人ではなかなか修正など出来るものでもなく、実は草の根的にこの感覚を変えていきたいと思っています。

 日本人は、そもそも四季の移ろいを感じ取りながら、自然に抗わずに手近に豊富にある草木を使い、思いの場所にささやかな庵を結び、儚い人の一生という与えられた僅かな時間を、きっとそれなりに愉しんで生きてきました。それは、ほったて柱で草葺きで、西洋の石造りの建築からすれば、一見とてつもなく貧相なものに見えるかも知れません。ただ、それは石に憧れて技術や財力が乏しくて創れなかった訳でなく、むしろ逆で、ギリシャ・ローマの神殿建築が植物に憧れて模した彫刻をオーダー(様式)としている事から見ても、本当はこの国の方が、豊富な森林資源によるより贅沢な選択だったと言えるのかもしれないのです。ただ、豊富な森林資源に抱かれているが故に、むしろ頓着なく周りの材料を豊富に使い、臨機応変に建てては更新する感覚が、いつしか、環境循環や自然共生という感覚からは大きくずれてしまうスクラップアンドビルドにすり替わってしまったと言うのが近代のこの国の私の見立てです。余り罪悪感がないのはそこからではないかと思ったりします。

 一元的な、しかも短期間の「経済」という物差しは、ここでも私たちの感覚を狂わせてしまっています。新しい発想ではなく、むしろ戻せば良いのだと思うのです。(つづく)

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