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欠けた器と宴の晩に
 先日とある晩に、知人を呼んでのささやかな酒席を設けた。気取らない家庭料理と、新潟の知人が直送してくださった地のお酒がメインの会だったが、私も久々に酩酊してしまい、後で考えると迷惑も顧みず随分荒唐無稽な話題を元気良く振りまいていたようだ。話題は自ずと、縄文弥生の話から、日本人のルーツ、アイヌ文化、魏志倭人伝、何しろ我が家、ホームグラウンドであるからに、いささかアウェイとは勝手が違う。ついつい強気な私はいつもより声高だったかも知れない。真顔で仕事をしている時間帯に、後日、「先生その節は...。」などと当日お出でいただいた客人からお礼のご連絡などがあったりすると、何だか気恥ずかしい気がしてならない。
 今回の席で今更ながらに思うのは、突然福岡を襲ったあの大きな地震である。それほど高価なものはとても手が出ないから持っていないが、それでも気に入って買い求めた器が随分と欠けている。往生際が悪い私などは、札幌の知人が教えてくれた簡易な金継ぎ(器の繕いの方法)を施して、未だに現役で使っていたりする。仕舞いに締めの珈琲でもと、亭主の私がペーパーフィルターの上からのの字を描き描き、熱湯をそそぎ入れた珈琲をカップに「○○さん、ごめんね、あなたは近しいからこの継ぎのあるカップで飲んで。悪いね、この間の地震で欠けてさぁ。」そう言い訳しながら小分けした。そうすると、その欠けている器がお洒落だという。何が褒められるかわからない。確かに味と言えなくもない。出来ればもうあんな地震などは御免だが、そんな欠けた器が、思わず話題を提供してくれるから、こういう席は楽しくて仕方がない。札幌の知人が送ってくださったホタテ貝を食しながら、新潟の知人が送ってくださった土地のお酒を冷酒にしていただき、福岡の知人が夜もふけるまで騒いでいる。私に取っては至福の時間と言えなくもない。あらゆるものに感謝が出来て、素直に喜べる自分が嬉しかったりもする。これで二日酔いがなければ良いのだけれど....。
 翌日は、器ではなく、頭がいささか割れそうであった。笑

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| エッセイ | 08:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
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