建築YA「髭」のCOLUMN

福岡を中心に住まいづくりをする建築YAのコラム
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寒かったり暑かったりの言霊(ことだま)の話...。4
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     近年のシミュレーションソフトの進歩によって、住まいの性能をあらかじめ設計段階で明らかにする事が可能な時代に入ってきました。一年間で使うエネルギーの総量ははじき出されますし、暖房や冷房でどれくらいのエネルギーが使われるかもシミュレーションが可能です。「建築物理」という分野が漸く現場で実践されるようになってきているのです。
     ここまでに語ってきたように、「温暖地だからこれくらいで良い...」などという「言霊」の感覚は、一瞬にして粉砕されてしまいます。室内の快適な温度環境と厳しい外界の温度変化とを一旦遮断することに、暑いも寒いも、北も南も無いのです。
     もちろん地域の環境によって、ベースとなるエリアのデータも必須の根底条件として入力していくので、地域によって、一定の基準をクリアするための必要なスペックは異なります。北海道と九州では、地の利を生かせば冬の暖房負荷が全く違うので、断熱材の厚みは薄くて良いかもしれません。逆に、夏の冷房負荷の方が大きいので、そのための対策は北よりも沢山しなければなりません。そんな風に、地域によって全く違う解が導きだされていくのです。一方、人間が快適である温熱の領域は、これまでの研究で明らかにされています。その範疇を目指す室内環境のための設えをしていくことは、北も南も無いから、始めに「九州だからこれくらいで...」というお話はあり得ないのです。難しい言い回しになりますが、そのさじ加減は、解析によって導かれるものであれば良いのですが、往々にしてそう言う言葉を使われる場合、「断熱は、寒いエリアでこそおこなわれるもの」という「言霊」によるゆがめられた影響がベースとなっている場合が多い気がしてならないのです。(つづく)
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