建ててはいけないなどと、私が言うのもおこがましいのですが、建ててあとで後悔しないために、住まい手目線で考えると、建ててはいけないレベルの家が多すぎるということなのです。ご存知の通り25年基準の完全義務化で、2020年には性能値が明らかでない住まいの新築は建てられなくなります。外皮性能を計算で一定基準以上であることを計算して届け出なければならなくなります。ということは、逆に言えば2020年までは野放し状態でどんな性能の家も建てられると言うことになります。その上で、ではこの25年基準はと言うと、国が定める最低基準ですから推して知るべしです。クリアするのは当然ですが、快適とか省エネとか言う観点でみれば、全く性能は足りないと言うことが出来ます。住宅産業はそうは言いません、でも足りないんです。住宅の階段は実は建築基準法上は一段の巾15センチ以上高さ22センチ以下なら合法なんです。そんな急な階段はみたことありませんが、法規とはそう言うものです。また、日本の基準では気密性には殆ど縛りがありません。一戸一戸完成して気密性能の測定試験をしなければ性能は分からないのですが、心ない工務店はそんなこともやっていないのです。そんな言い切り方をすると、殆どの工務店が「心ない工務店」になってしまうか…何れにしても、性能を語る時に、本来は断熱性能、気密性能はセットであると言うことは覚えておいて良いと思います。つまり、やがてすぐ陳腐化するレベルの住宅が平気で建てられいる現状を私たちは見抜いていかなければなりません。50年、100年と社会でストックできる住まいを建てなければ完全に不良在庫です。よく、「予算がないからそこまでしなくても…」という言葉が飛び交います。数は余っているんです。そろそろ不良在庫を減らす努力をしなければ、スクラップアンドビルドでお金だけが空回りして、何も残らないルーティーンから抜け出すことは出来ないのです。(つづく)
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