建築YA「髭」のCOLUMN

福岡を中心に住まいづくりをする建築YAのコラム
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これからの居場所について 1
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     数年後にオリンピックを控え、その後は関西で万博、経済は少しずつ発展をして行きつつ、この国は順風満帆である。とお国は言い続けています。有効求人倍率は過去最高となり、皆、仕事にも困らない。株価も高値を堅持、なんと素晴らしい事でしょう。ただ、日々それを実感している人はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。一方では、人口減少と高齢化の波は確実にやってきていて、街の風景をどこで切り取ってもフレームに映り込むのは老人ばかり、若い人の姿をみるのはごく限られたシーンばかりです。何でも成人を18才に引き下げるとか、私には人材難だから青田刈りをお国がやっているようにも見えてしますます。

     かつては都市の人口集中によって、田舎が過疎化して、限界集落など言う言葉が示すように、田舎の人口激減が問題視されてきましたが、これからは田舎だけのお話ではないと言う事が言えるかもしれません。すでに、都心の周囲に増産されたいわゆる「ニュータウン」は、全国いたるところでゴーストタウン化が急進していて、真っ昼間に人っ子一人いない街区で、年老いた老夫婦が、手入れの出来なくなった老朽化した住宅で息をひそめるように暮らしているという実態は今後そう言う街が亡くなって行く事を予感させます。

     最近思うのは、政治や報道で表面化するこの国の姿と、ほんとうの実像との大きな隔たりです。果たして表面だけで見えている、今日の先に同じ明日があるとも私には思えない。10年先、30年先を考えれば、私たちは少し先の準備をした方が良いかもしれないと思うのです。悲観論ではありません。私はむしろ、今切り捨てられている大切なものの復活には良いのかもしれないと思っています。50の齢を大きく過ぎて、周りの諸先輩方はそろそろ定年後のお話などをするようになってきていますが、どうやらこの国は、悠長に老人に「お疲れ様でした」と安穏の暮らしを保障してくれる気もないように感じます。ひとりひとりの人間が、活き活きと暮らす為には、これまでよりも少し知恵を使って、「居場所」を見考えなければならない時期に来ているのかもしれません。(つづく)

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