そもそも、エアコンのメカニズムから言えば、本来のエアコンの実力が発揮しにくい空間での使われ方が、皆さんのエアコンに対しての不満の原因のほとんどであると言うことが少しおわかり頂けたでしょうか。昔から、夏は湿度を下げて少し空気を動かすと体感温度が下がり高めの室温でも不快感が軽減します。そして何より木造住宅の場合は小屋裏の蒸れが天井面に下がって来る午後の時間の蒸れに代表するような面温度、つまりほう射の影響をなくす施し、つまり断熱の強化が必要となってくるのです。冬は逆に空気を出来るだけ動かさずに、湿度を保ち、これまた低い面温度を感じないように床壁天井の面の温度が外部の影響を受けにくいように、やはり断熱の強化が必要なのです。そうすれば、今よりも低い室温でも快適感はで出来ます。暖房は輻射暖房が望ましいと言われる理由はこの部分にあります。そう言う意味ではエアコンは輻射暖房ではなく空気の温度を作りだす暖房ですから、輻射暖房よりは不利な暖房と言えなくもないのですが、エアコンを上手に使うことでその部分をカバーしたいと思うのです。考えてみれば、長い歴史の中でエアコンが家庭に入ってきたのは高度成長期以降の数十年です。正直まだ私たちは使い方が下手なんだと思います。
例えば九州の場合、住まいには酷暑に耐える夏の設えと、案外寒くなる冬の設えの両方が必要になります。予算が潤沢にある場合は、夏はエアコンとサーキュレーター、冬は輻射暖房の設えをお奨めするのか理想ですが、昨今の世相からすればそうとばかりは行きません。逆にエアコンで夏も冬も乗り来ることが出来れば、イニシャルコストの軽減に大きく貢献しますから、夏も冬も上手に使うことが大切なのです。(つづく)
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