そこで、一転今ここで「人は住まいをどうして建てたくなるのか」という根源的な衝動を考えると、大切にしなければならないものはなんだろうという再考が始まります。それを進めていくと、実は今、現実に立ち塞がる問題
となる急激なコスト高と性能向上は大切な要因ではありますが、一言で言い切る「性能とコスパ」だけに注視しすぎるのも、果たして解決に向かうものかと思えてくるのです。「人は住まいをどうして建てたくなるのか」と反芻していくと、確かに「性能とコスパ」は立ちはだかる大きな問題なのですが、住まいづくりを根源的な衝動を満たす術だと思えば、整理しなければならないのはもう少し手前の部分かもしれないと思ったりするのです。
「人は住まいをどうして建てたくなるのか」を、もっともっと真摯にそれぞれの立場で考えていかなければならない時代に入ったと私は想います。(おわり)
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例えば、親御さんから譲り受けた土地があるとか、全体コストのうち一定割合は過去に貯蓄した自己資金があるとかこれからはそこからがスタートだと見るべきだと想います。(つづく)
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高嶺の花と書きましたが、なるべくそうならないように、広く皆さんの衝動として住まいづくりは実現できるものとして今後もあれば良いなと思ったりします。ただ、これまでのおひとりひとりが、住まいを建てることができるという時代も、長い歴史から見れば極めて稀有なことで、むしろ、とてつもなく恵まれた良い時代を私たちはこれまで過ぎてきたのかもしれないのです。ここまでを、類まれなく恵まれた時代だと俯瞰すると、これから来る難しいと時代も、甘んじて受け入れるしか無いなと達観しますが、少なくとも、安かろう悪かろうにはもう絶対戻れませんから、私たちはより懸命な、質の向上と少しでもコストダウンできる知恵を両輪として矛盾なく取り組んでいかなければならないのだと思ったりします。
今の所、私の中に明快な公式があるわけではありませんが、仕事の中でも、少しでもという質の向上とコストダウンの検討を繰り返す日々が続いています。例えばいつか経済が浮上して、賃金が爆上がりするとか、将来、長いトンネルの先に光明が見えるのかもしれませんが、一進一退の悪路はしばらく続きそうです。(つづく)
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その上、最近は在宅勤務やオンライン授業などで、自宅滞在時間も大幅に伸びたからなのか、住まいの室内環境に関しての意識が高まるとともに、さらにはエネルギーコストの爆上がりも後押しして、住まいそのものの性能も大きく取り上げられるようになりました。この要因はアップグレードですから、ただでさえ、コスト高が悲鳴をあげそうなのに、ニーズは高みを望み始めているという二重三重のコスト高の住宅業界なのです。
おそらくは、新築住宅は少しばかり高嶺の花という座を手に入れて、全体のパイは今後大きく縮小するのでは無いかと思われます。その上で、性能はもとより、快適性に関してもハイグレードのものが生き残るのは自明のことで、今までの性能がのぞめないハリボテのような住まいは淘汰されるのではないかと思います。来春から、様々な法改正で住まいの性能も加減が定まり、即するように義務化が始まります。ただ、時の徒花として、一時的には基準値ギリギリで省エネを謳ったり、快適を喧伝するようなものが出てくるのかもしれませんが、長期的に見れば、総数は今後激減して、質は上がっていくと見るのが順当な予測かもしれません。(つづく)
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住まいを買うものから、少しずつ紡いでいくようなものにしていくことが、住まいづくりがどんどん難しくなってきている近年の状況の改善へのヒントになるのではないかなと思ったりします。完成品を買って、せっかくとんでもない投資をしたにも関わらず、借り物のように暮らす、あるいは世間一般のいう常識という範疇に囚われて、自身の方を空間に馴染ませて暮らすということにならないように、厳しい時だからこそ考察していくことが良いのではないかと想うのです。
住まいづくりはまさに大きな転換期にあるのではないかと思います。温熱性能に全く無頓着なこの国にあって、私は数十年その改善を望み高性能住宅の普及と実戦に向かってきました。私の行いなど影響はほとんどないでしょうが、想いは幸運にも時流に乗り、来年の性能義務化の法整備、一般の方への認識の普及もずいぶん改善してきたなと実感があります。さて、経済が伸び悩み、コロナと戦争で流通が壊滅的なダメージを受けて、建設コストが急激に上がってしまった今、どうしていくかということを想う時、必ずしも今の方向性だけで良いというわけではないので、自分なりの動きわしていきたいと今想っています。時代が変わる時には、徒花のように突然わっと広まって、すぐ消えていくものも多く散見します。これからが正念場、住まい手のための住まいというものをしっかりと考えていきたいと思います。(おわり)
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そもそもひとの住まいというものが、住宅産業などと言われ始めて、内需の大きな柱になって国が拡大支援するほどの業態になってきたこと自体が異様なものだったのかもしれませんが、それもこれからは一個人の価値観がしっかり育っていけば、それほどの規模でなくてもしっかりと価値あるものを創り出す業界になっていくのかもしれないなと思ったりします。すでに、数的にも余っていて、無理やり量産する必要のない時代なのですから、ここは大きくシフトして、住まいづくりを再構築していくべきなのかもしれません。戦後の数が勝負の時代に住宅メーカーが生まれて業界を牽引してきて、今は数余りですでに必要ないのに、まだまだこの流れを続けようとしている感じが否めませんから、ひとつひとつ変えていくべきかと思います。
住まいは完成引き渡しが終わりで、あとはどんどん目減りしていくという価値観ではなく、むしろ始まりだという感覚が必要かと思います。要するに、消費するとしう経済行為ではなくて、その先もずっと続く育んでいくような感覚の住まいづくりをしていかなければならないのではないかと思います。現代人はあまりにも、消費に慣れすぎました。(つづく)
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最近は、YouTubeなどの媒体を通しての発信がにぎやかで、ただその情報もカオス化していますから、何が正しいのかがわからない時代になってしまいました。長年の研究者や実務を積み上げてきたプロもいれば、これは商売になるとPRを巧みに内包した営業的な情報すらも一律に皆さんのスマホには現れてきますから、そのジャッジは自分以外にないので、専門外の人が専門分野の真贋を判断するという変な状況が生まれています。私には、どうにもここのあたりがあまり良い方向へ進んでいないのではないかと危惧している部分があります。体温を感じる人同士の生のコミュニケーションであれば、なんとなく些細なニュアンスから計り知ることが叶うのですが、スマホの画面情報はフラットすぎてそれが叶いません。便利なようでかえって…ということはあると思います。
そういう落とし穴というか、利便の盲点のような弊害は、やはり「消費」という完成品をお金で買って消費するという価値観一辺倒で近年この国が進んできたが故のことではないかと思ったりするのです。住まいの質という部分でも、やっぱり消費文化の台頭とともに悪化してきたような気もします。逆にチャンスと捉えれば、これから大きく住まいづくりを変えていく起点なのかもしれません。(つづく)
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私はずっと一個人という軸で住まいを創造します。一個人の寄り合いが家族であり社会であり国だと思うからです。平和を切に祈ります。(おわり)
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この国でも、ネットに沸いているニワカ右翼のおじさんたちは、国家観を語り、他国よりも自国が優位である根拠をあれこれ掘り出して、勇ましさばかりの言動が目立ちますが、一説によると一個人として、努力したにも関わらずあまり社会的に評価されずに恵まれなかった世代の持つジェラシーの裏返しだとありましたが、まさにそういう発言を繰り返す人たちを見ていると、一個人の扱いが少しばかり乱暴で、全体主義のお先某を担いでいる自分が、紛れもない一個人であることを忘れているような感じがしてしまうのです。何か強いものに帰属しなければ、自分というものを保てないというのは実に悲しい状態ですが、国家や民族を声高に語る人には、なんとなくそういう人が多い気がしてなりません。私はこの国に生まれて、この国の人で、この国にルーツを持つことをありがたく思います。それは否定しません。しかし、それを他と優位に区別することや、特別なものだと主張するのは、この地球上で絶えない争いごとの種になりかねないのような気がしてならないのです。
アイデンティティーを持つことは大切ですが、唯一無二のものを他と比較する必要はなく思います。むしろ、他を認めるところから自分のアイデンティティーを理解する方法はあるように思うのです。(つづく)
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イスラエルとパレスチナのニュースが緊張の中刻々と伝えられています。遠い国のお話と、ソースを寸断して仕舞えば何も感じずにそれまでですが、民間人の犠牲者が著しい悲惨な戦争状態がこの地球上でいまだに起きていることを思えば、心穏やかにというわけにはいけません。宗教戦争だというのならば、なぜに人を幸福に導く宗教の違いが争いを産んでしまうという矛盾は許せませんし、大国の勝手都合に踊らされているというのならば尚更に、罪のない民間人の命が脅かされるような愚行は直ちにやめてほしいと思います。私たちのように、ものづくりをする者にとって、破壊と殺戮は正反対の愚行であって、許されるものではないということを私たちの立場で言い続ける必要があると思います。焦土と化して、住まいを追われて瓦礫の中に茫然と座り込む親子などを目にすると、まさに住まいづくりというものは、平和な世の中でしか成立しないものです。住まいを語る前提として、平和であることが条件なのです。なかなか厳しい時代に突入ですが、今回はそんなお話から…。
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