2006.05.31 Wednesday
柳宗悦の自邸修復保存
先日、NHKの新日曜美術館で柳宗悦の自邸の修復と公開の模様を伝えていた。先日上京した折に、いつもは必ず立ち寄る駒場の民芸館へ今回は行けずに帰福したため、少し心残りだったからか、何気ないテレビの音声が私のアンテナに引っかかり思わず見入ってしまった。
柳宗悦と言えば、大正デモクラシーの最中、「用の美」を唱え民芸運動を展開した巨人。その審美眼で見いだされたものは、全国各地の民陶、朝鮮・沖縄・アイヌの文化、棟方志功などなど、話題に事欠かない。その柳宗悦が自らデザインしたという住宅が、この度、修復保存されたというのだ。画面に現れるその空間は、和洋混在、独特の風合いを持った落ち着いた、画面から見てもいい空間である。随所にそのこだわりが織り込まれているというが、さりげなく決して嫌味な感じではない。俗にいう地方の「民芸調」と言う言葉で一括りされる独特の泥臭さはなく、むしろ小粋な江戸の町家の風情を洋のライフスタイルに焼き直したというイメージの空間だった。クローズアップされる画面からどれ程の事を理解出来るかわからないので、あまり多くは語れないが、若い頃、何冊かの柳宗悦の著書に触れた折に、世間一般の「民芸」と言う言葉から自分勝手に持っていた印象とは少し違った、もっと垢抜けたものを感じたが、今回のそれもそれと似たものを感じたのかもしれない。
モダニズムという言葉が頭の中でいっぱいになり、フランスのル・コルビュジェの残した著作を、無論邦訳で読んだときに無味乾燥なものを感じて、パリに行き、その空間に触れて自分の誤解に安堵した事があったが、やはりその場に立たないと空間は理解出来ない。次回の上京の機会に実行しなければならない宿題が一つ増えた。是非ともあのエスプリを肉眼で感じたいものである。
柳宗悦と言えば、大正デモクラシーの最中、「用の美」を唱え民芸運動を展開した巨人。その審美眼で見いだされたものは、全国各地の民陶、朝鮮・沖縄・アイヌの文化、棟方志功などなど、話題に事欠かない。その柳宗悦が自らデザインしたという住宅が、この度、修復保存されたというのだ。画面に現れるその空間は、和洋混在、独特の風合いを持った落ち着いた、画面から見てもいい空間である。随所にそのこだわりが織り込まれているというが、さりげなく決して嫌味な感じではない。俗にいう地方の「民芸調」と言う言葉で一括りされる独特の泥臭さはなく、むしろ小粋な江戸の町家の風情を洋のライフスタイルに焼き直したというイメージの空間だった。クローズアップされる画面からどれ程の事を理解出来るかわからないので、あまり多くは語れないが、若い頃、何冊かの柳宗悦の著書に触れた折に、世間一般の「民芸」と言う言葉から自分勝手に持っていた印象とは少し違った、もっと垢抜けたものを感じたが、今回のそれもそれと似たものを感じたのかもしれない。
モダニズムという言葉が頭の中でいっぱいになり、フランスのル・コルビュジェの残した著作を、無論邦訳で読んだときに無味乾燥なものを感じて、パリに行き、その空間に触れて自分の誤解に安堵した事があったが、やはりその場に立たないと空間は理解出来ない。次回の上京の機会に実行しなければならない宿題が一つ増えた。是非ともあのエスプリを肉眼で感じたいものである。