2007.02.28 Wednesday
景観...視線の落ち着く先として
カーテンウォールの巨大なガラス面に覆われたビル群も、近未来を想像させて美しいが、その羅列となると何となく目が落ち着かない。
福岡の市街地でもとんと見なくなって来たが、そこに古めかしい赤レンガの塀があって、それにツタが絡まっていたりすれば、ほっと落ち着くのである。彼の黒川紀章大先生は、東京の都市景観が気にかかると都知事選に立候補らしいが、そんな大それた事は思わないまでも、一人の建築に携わる人間の一人として、こういう落ち着く視線の先をもう少し大切に扱わなければならないなと、近頃、頓に思うのである。
我々庶民にはかかわり合いはないのだけれど、少し景気が良いのか、近頃慌ただしく、虫食い状に残っていた福岡のそういう景色が、新しい建物に置き換えられていっている。新しいものが、少しの時間に曝す事で、また馴染むような代物であれば良いのだが、見ていてどうもそうはなりそうもない。華美にという意味ではなくて、普通に予算をかけたと思える建物ではなくて、何とも安普請と落胆せざるを得ないものが多いように思えるのである。少なくとも、レンガや木というような時間経過に素直に風化するものは、実はあまり罪作りではない。朽ちていく事で周囲と馴染み、何となく景観に馴染んでくれる。しかし、古くなり方が別のものは、例えばいつまでも初さがとれずにただ汚くなるだけのものもある。十そいに建物を造る立場の端くれにいる私などは、素直に朽ちてくれる素材を出来るだけ使おうと思うのである。
今も残る視線の落ち着く景観は、きっと再生が難しい。景気の動向に注目だが、スクラップアンドビルドの土建立国「日本」に逆行する事だけはしてほしくないと思うのである。
※いつも読んでいただいてありがとうございます。ランキング参加中です。良かったら今日も下のバナークリック投票をお願いします。
ココをクリック→←このブログの順位が見れますよ!!
福岡の市街地でもとんと見なくなって来たが、そこに古めかしい赤レンガの塀があって、それにツタが絡まっていたりすれば、ほっと落ち着くのである。彼の黒川紀章大先生は、東京の都市景観が気にかかると都知事選に立候補らしいが、そんな大それた事は思わないまでも、一人の建築に携わる人間の一人として、こういう落ち着く視線の先をもう少し大切に扱わなければならないなと、近頃、頓に思うのである。
我々庶民にはかかわり合いはないのだけれど、少し景気が良いのか、近頃慌ただしく、虫食い状に残っていた福岡のそういう景色が、新しい建物に置き換えられていっている。新しいものが、少しの時間に曝す事で、また馴染むような代物であれば良いのだが、見ていてどうもそうはなりそうもない。華美にという意味ではなくて、普通に予算をかけたと思える建物ではなくて、何とも安普請と落胆せざるを得ないものが多いように思えるのである。少なくとも、レンガや木というような時間経過に素直に風化するものは、実はあまり罪作りではない。朽ちていく事で周囲と馴染み、何となく景観に馴染んでくれる。しかし、古くなり方が別のものは、例えばいつまでも初さがとれずにただ汚くなるだけのものもある。十そいに建物を造る立場の端くれにいる私などは、素直に朽ちてくれる素材を出来るだけ使おうと思うのである。
今も残る視線の落ち着く景観は、きっと再生が難しい。景気の動向に注目だが、スクラップアンドビルドの土建立国「日本」に逆行する事だけはしてほしくないと思うのである。
※いつも読んでいただいてありがとうございます。ランキング参加中です。良かったら今日も下のバナークリック投票をお願いします。
ココをクリック→←このブログの順位が見れますよ!!