CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728   
<< February 2007 >>
SEO対策
解析
MOBILE
qrcode
ARCHIVES
CATEGORIES
景観...視線の落ち着く先として
 カーテンウォールの巨大なガラス面に覆われたビル群も、近未来を想像させて美しいが、その羅列となると何となく目が落ち着かない。
 福岡の市街地でもとんと見なくなって来たが、そこに古めかしい赤レンガの塀があって、それにツタが絡まっていたりすれば、ほっと落ち着くのである。彼の黒川紀章大先生は、東京の都市景観が気にかかると都知事選に立候補らしいが、そんな大それた事は思わないまでも、一人の建築に携わる人間の一人として、こういう落ち着く視線の先をもう少し大切に扱わなければならないなと、近頃、頓に思うのである。
 我々庶民にはかかわり合いはないのだけれど、少し景気が良いのか、近頃慌ただしく、虫食い状に残っていた福岡のそういう景色が、新しい建物に置き換えられていっている。新しいものが、少しの時間に曝す事で、また馴染むような代物であれば良いのだが、見ていてどうもそうはなりそうもない。華美にという意味ではなくて、普通に予算をかけたと思える建物ではなくて、何とも安普請と落胆せざるを得ないものが多いように思えるのである。少なくとも、レンガや木というような時間経過に素直に風化するものは、実はあまり罪作りではない。朽ちていく事で周囲と馴染み、何となく景観に馴染んでくれる。しかし、古くなり方が別のものは、例えばいつまでも初さがとれずにただ汚くなるだけのものもある。十そいに建物を造る立場の端くれにいる私などは、素直に朽ちてくれる素材を出来るだけ使おうと思うのである。
 今も残る視線の落ち着く景観は、きっと再生が難しい。景気の動向に注目だが、スクラップアンドビルドの土建立国「日本」に逆行する事だけはしてほしくないと思うのである。

※いつも読んでいただいてありがとうございます。ランキング参加中です。良かったら今日も下のバナークリック投票をお願いします。
ココをクリック→にほんブログ村 デザインブログへ←このブログの順位が見れますよ!!
| 建築・デザイン | 08:43 | comments(0) | trackbacks(0) |
いよいよ、発表のとき 公開プレゼン
 日付が変わったから本日の事になるが、午後より教え子たちの最後の公開プレゼンテーションが催される。一昨年、学校を引いた私としては、ここまで部外者として内容に関しては一切関わる事が出来なかったが、それでも因果な親心というもので、時折漏れ聞こえる様子を一喜一憂しながらこの日を待っていた。中には遠路作品の指導を受けに弊社を尋ねてくれる学生もいたから、その臨場感は十分に伝わってきていたし、何だか自分の舞台の前夜のような面持ちで、私も落ち着かない。どうせ無鉄砲な学生たちのする事だから、今夜も最後の準備に切りなく夜更かしして、寝付けない夜を送っている事だと思うが、その余波かもしれない。笑。
 公開プレゼンテーションという、一つの節目を形作る事で、彼らは十分な達成感を味わう事が出来る。同時に掛け値なしの人目に曝し、厳しい批判の的にもなる訳だが、それこそが、まさにクリエーターとしてのスタートなのである。
 以前就職面接で自分の卒業制作を自信満々に語った学生が、その社長に作品をクソミソに言われ、「だから学生は甘い。そんなものが世の中で通用すると思うか!」と叱咤された事があったそうだ。そのときにその学生は「そうだと思います。先生もそう言っています。学生のする事などママゴトだ。でも一生懸命にやれ」とけろりと言い放った。その社長は「お前の先生、いい先生だな」と言われたそうである。学生がその会社に内定したのはいうまでもない。
 近頃は、すぐ行動の前に自分を値踏みして行動すらしない輩が多い。そんな奴にはしたくないと私は常に学生と接してきた。今年の子たちは1年間のおつきあいだったが、どれくらい熱くなってくれているのやら、とにかく楽しみで仕方ない。
 近頃熱くなった事がないなと寂しく思っているご同輩は、あす午後1時に博多百年蔵にお見えになると良いかもしれない。その片隅にきっと髭も座っている。関連ブログ→http://oneno.exblog.jp/

※いつも読んでいただいてありがとうございます。ランキング参加中です。良かったら今日も下のバナークリック投票をお願いします。
ココをクリック→にほんブログ村 デザインブログへ←このブログの順位が見れますよ!!
| 若者・教育 | 00:55 | comments(2) | trackbacks(0) |
黄色いスケッチペーパー
 巨匠 ルイス・カーンが微妙な透け方を好んで、白いトレペを黄色く染めさせたのが始まりと言われれば、何だかそれだけでぶって使ってしまうのが建築YAの性である。
 しかし実際に使ってみても、大切な線だけが浮き上がってきて使い勝手がすこぶる良い。特に大切な線などは、赤ペンで入れてまた重ねたりする。建築とは多分に雑多な要素を多方面から考えながら攻めていくようなところがあるから、散漫なアイデアをまとめていく為には、いちいち白いさらの紙に描き起こしていては、それまでの事がリセットしてしまってうまくいかない。微妙に記憶に薄いベールをかけながら、新しい余白に線を埋めていく。重ねるうちに大切な線だけが残り、いらない線が消えていく。環境エコの事を考えれば、紙をかなり浪費して叱られてしまいそうだが、こればかりはどうしようもない。
 近頃はコンピューターの画面の上で、一からデザインを起こす若者が増えているというのだが、私などはどうもこれは馴染まない。無論、パソコンのない仕事場は到底想像できないが、さりとてそれだけで完結しないところが何とも因果な世代である。紙の大切さを感じる為にも、このスケッチペーパーは欠かせない。だからデスク周りにいつも置いてある。昔よりは減りは少なくなったが、やはりなくすわけにはいかない。練り消しゴムを手でこねながら、少し黒檀で汚れた手でべたべたと何やら無心で描いている事が出来る時間、パソコンの時代ではあるが、そんなアナログな時間が何とも心地よい時間である。

※いつも読んでいただいてありがとうございます。ランキング参加中です。良かったら今日も下のバナークリック投票をお願いします。
ココをクリック→にほんブログ村 デザインブログへ←このブログの順位が見れますよ!!
| 建築・デザイン | 17:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
タミフルとインフルエンザ
 春めいてきたと思うが、インフルエンザが最後の猛威をふるっている。私の周りでも、やはり伝染病だと思う程にバタバタといっている。年末に予防注射を励行している私としては、むしろ花粉症の方がひどくて実感が沸かなかったが、今頃になってすごいようだ。ここへ来て、思春期の若者たちが服用すると異常行動を起こしてしまうかもしれない特効薬「タミフル」の問題が浮上してきている。
 受験生のいる我が家でも、自ずと神経質にならざるを得ないが、先日ついにはご当人がインフルエンザ、予防接種はしているものの、速攻でタミフル服用ということになった。調剤薬局に問い合わせるとやはり話題のタミフルで、まれにそういう副作用が起こらないとも限らないという。仕事の都合もそこそこに、当人を一人にしないように万全の体制で監視をする。1時間、2時間、ご当人は服用してからすぐにベッドに入り、すやすやと眠っている。むくっと起き上がり、はっとすると「トイレ」我が家ではさしたる副作用もなく大事にはいたらず、確かに特効薬の前評判通りの成果でインフルエンザも退散してくれた。
 ニュースで言われているように、突然高所から飛び降りるなどということがいくつも起きているが、インフルエンザを媒介しやすいのも、またこの年頃の子たちで心配である。教え子たちのことを思えば、一人暮らしの子も多く、親と同居という子たちでも、その年頃で親がベッタリうちにいるという家庭は多くない。なんとか原因は解明できないかと思うが、案外処方をする側は、今回の経験からも事の重大さを告知するという程でもなかった。おそらく原因がタミフルだと確定できないという事だろうが、これ以上の手の事で若者の命が途絶える事がないように、注意深く使わなければならないと思う。
 少し不謹慎な言い方だが、家族と関わりが希薄になる年頃の青少年だから、これを理由にしばらくみっちりつきあうのも、また良いのかもしれないなどと思ってみたりする。
※いつも読んでいただいてありがとうございます。ランキング参加中です。良かったら今日も下のバナークリック投票をお願いします。
ココをクリック→にほんブログ村 デザインブログへ←このブログの順位が見れますよ!!
| 社会・事件 | 13:58 | comments(0) | trackbacks(0) |
千の風になって
 私は残念ながら拝見しなかったが、年末の紅白から、「千の風になって」という歌がヒットしている。秋川雅史さんというイケメンのテノール歌手の方が歌っているが、作家新井満の手になる訳詞だそうだ。伸びのあるメロディーは高い高い空を連想させ、人の命が終わり、魂となったときに、森羅万象あらゆるものに回帰し宿っているという歌詞が、何とも悲しいほどに清らかである。原典は諸説あるらしいが、身近なものが亡くなったときの先立った人の心境と残された者の思いとが高い空に描かれているように思える。
 人の死は、抹香臭い陰々滅々とした空気感だけではなくて、確かにこんな空(くう)なる感覚を含んでいるように思う。泣くことも忘れる程の崇高な清らかさである。
 個人的には、イケメンの秋川某のお声も素敵であるが、私は新垣勉さんの声でこの曲を聴きたい。以前、FMラジオから偶然流れた新垣さんのそれは、目を閉じていると魂とともに、地上ではなく高度何千メートルも上の高いところから、ジェット気流に乗って青空を体験しているような不思議な感覚になった。新垣さんの歌声は、「さとうきび畑」などで知られるが、私がその歌声に魅了され続けている沖縄出身の盲目のテノール歌手である。彼の声には、抜けるような青空とエメラルドブルーの海がよく似合う。そんな新垣さんの「千の風になって」も一度ぜひお聞き願いたいものである。


※いつも読んでいただいてありがとうございます。ランキング参加中です。良かったら今日も下のバナークリック投票をお願いします。
ココをクリック→にほんブログ村 デザインブログへ←このブログの順位が見れますよ!!
| 音楽・アート | 08:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
| 1/11PAGES | >>