2008.07.31 Thursday
住まいづくリ...吹き抜けについて。
JUGEMテーマ:建築
吹き抜けのお話である。吹き抜けは、平面上の間取りだけでは何となく平凡になりがちな空間を、立体的に演出して魅力のある空間にする特効薬とも言える。「リビングに、大きな吹き抜けがあって...」などといいう形容は、常に好印象な表現の場合に使われる場合が多い。
しかしだ。特効薬には思わぬ副作用も伴うから、用法には少し注意が必要である。何も考えないで作る吹き抜けには、問題が生じる可能性がある。まず、構造的には確実に不利な要素だ。2階の床と言う格好の水平剛性を確保する部材が、そこにないのだから、きっとそこに構造上の弱点が産まれる。木造は一気に倒壊という事になる事はあまりないが、このような場合、四隅の柱がねじれていくようにそこから狂いが生じてくる。吹き抜けの部屋の角のクロスが、斜めに突っ張ったようによれて破れたりしていれば、少し狂いが生じている可能性がある。しかるべき強度を保つ為に、工夫のいる事であると思う。
また、温熱的には煙突上の効果から、上下間で温度差を産み、冬の寒さと夏の群れを増長する。すきま風の入る空間では、足元から外気がどんどん入り、上に上がっていくので気流が産まれる。冬場どうしても暖まらない空間になる可能性を含む。気密性のない家の吹き抜けは危険だ。
私たちが作る家の見学会の時に、その開放的な吹き抜け空間を見られて「これじゃ冬寒いでしょ...」というのは苦い思いを経験済みのお客様である。気密断熱を叱るべき施した住まいの吹き抜けは、上下間でほとんど温度差がない、安心な空間である。
むしろ上下室の温度差を緩和し、少ない熱効率で冷暖房を施すボイドとなりえる。闇雲に使っては、危険な要素だが、うまく使えば、快適な設えと言えるのである。
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