建築界のノーベル賞と言われる今年のプリッカー賞が妹島和代さんと西沢立衛さんの両名に決まったと言う。丹下健三、槙文彦、安藤忠雄につづく日本人の快挙だが、世界的な不況の中の二人の受賞に私は明らかにそれまでの建築家たちとは違うスタンスを観るような気がするのである。それまでの建築家はよくも悪くも顕在的にこれでもかと言う存在感の作品群で、社会に対してどれほど発言しているかと言うところが問われているような感じだった。私などの世代はそれを学生時代から見続けて、いつかこんな存在感のあるものをと憧れたものである。それが、今回のお二人には、良い意味で肩の力が抜け、これ見よがしに自己主張はしない、出来れば都会の雑踏や、自然の中の光や風となじみながら存在する不思議な浮遊感をその作品に観るのである。
建築と言うものが、圧倒的な存在感のある具体物から、どうかするとインターネットやコンピューターの中のヴァーチャル世界ともリンクし、個人の脳内のイマジネーションの表現の到達点として、その有り様を変化させていく兆しの現れかもしれないと思ったりする。
何かの始まりのようであり、不思議な感覚だ。
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