2010.08.31 Tuesday
W邸 大きく吹き抜けたリビング 4
2階は子供スペースになっているから、階下のリビングにいるお母さんとの一体感は少なからず必要である。ダイニングは隠れて見えないが、キッチンにいる母親の存在もどことなく音の気配で伝わってくる。手すり越しに、「おかあさーん」と言えば「なにー」と帰ってくるこの吹き抜けは、親子の間合いの現れでもある。また、階下で大人たちが歓談している様子を、子供たちは感じながら遊ぶことになる。とかくうるさいからなどと子供室を隔離して、そう言う場と遠ざけたりすることがあるが、この住まいの場合はある意味子供も大人も、その気配を意識し合いながら暮らさなければならないのである。例えば、近年の日本は「個」を大切にするあまり、ファミリーやコミュニティーエリアと言うものをぞんざいにしすぎてきたきらいがある。そのためか、コミュニケーション能力に欠けた人も多いと聞く。W一家の子供たちを観ているといつも切磋琢磨たくましい育ち方をしているから、そう言う心配はないと思えるが、その分、人との間合いや、気配を心遣いし合う気持ちを育んでいってほしいと願うのである。かわいらしい子供たちが、上へ下へと駆け回り存分に空間を立大敵に使う。吹き抜けはその上下のつながりを結ぶものとなっている。
JUGEMテーマ:建築
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