ニュースでは、GWの民族大移動が伝えられて、新幹線の乗車率100%超えを報じている。この季節、どこへ行っても混雑していて休みに行楽に行っているのか、人ごみに遭遇しにいくのかわからないほどである。暦で休みと決まれば、混雑などものほどせずに果敢に行楽に出かけていくのも、根が生真面目な日本人を象徴していることなのかもしれない。「GWはお家にいたい」そう言わせることが出来れば、私達の仕事は成功だと言える。お家にないものを求めて、人々はアミューズメントパークに行き、温泉に行き、景色の美しいレストランに行くのである。その魅力をなんとか住まいの中に織り込めないかと言うのは、私の永遠のテーマである。とかく日本人は、住まいの中にそう言う要素を織り込んだり、遊び心をストレートに表現することに消極的である。自分で作り上げてそこで暮らす「巣」であるから、居心地のよい魅力的な住まいにすることは当然の欲求なのだが、日常とそう言うこととは別だという固定概念が根深いのかもしれないのである。シンプルに、簡素にと言うことは悪いことではない。むしろ供給過多の昨今のライフスタイルには今後一石を投じる可能性はあるかもしれない。しかし、それは心から満足していればと言うことである。(つづく)
私は良くコルに習ってではないけれども、立体的な構成の中に単調になりがちの間取りを面白くする要素を埋め込むようにしている。例えば階段は、その家の面白さを決定づける大事な要素のひとつである。折り返し階段しかり、鉄砲階段しかり、上り下りにストレスを感じないことは当たり前だが、その上でもうひとつ、上りたくなったり下りたくなったりする階段を取り付けることに結構神経を使っているかもしれないのである。とかく部屋数と部屋の広さで比較対象が語られるが、全体の中で結構な面積を占有する階段や廊下と言うものをどうとらえていくかと言うことが重要に思えたりする。だからといって、それらの面積をケチると言うのは逆効果である。ギリギリの単なる昇降装置としての階段では、上階ののの面積を捨てるようなものである。どんなに快適でも、どんなに頑丈でも、人間は感情の動物である。その空間が飽きられれば、やがては自らの手で取り壊される憂き目に会ってしまいかねない。そう言う意味では、「あそびごころ」とでも言おうか。そう言う要素がたいへ重要になってくるのである。
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