2011.08.31 Wednesday
住まいと社会の豊かな関係。6
やがて歴史が、21世紀の初頭にこの国に住んでいた人々は、こう言う住まいを作り暮らしていたと、検証される時が来るかと思うと、少しばかり焦らないではいられない。おおよそ人間というものが、自ら「巣」をつくらなくなってから、今はあまりにも想いのこもらないお仕着せの「巣」が国土を埋めている時代と言わなければならないのかもしれない。
一棟ずつ、想いを込めたその住まい手のための「巣」にしていくことは、とても小さなことだけれど、実は、何かを変えていく重要な一歩だと私などは思うのである。私的に想いを込めた「巣」は誰にも汎用性があるわけではないけれども、熱狂的なファンをだった一組だけ産みさえすれば、次の世代もメンテナンスを繰り返しながら住み継がれていくのである。日々、その想いで戦い続けるしかないが、両極にある、個人と社会全体の「豊かさ」と言うものは、実はそう言うところでリンクしていると私などは思っているのである。
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