2012.02.29 Wednesday
集える住まいのかたち...。3
家庭の中から「火」がなくなった事は、暮らしの進化というべきものであるが、それとともに集うポイントだったその「火」がなくなった今、私たちは何を中心に集うかということになって来る。やはり温かい食べ物を共有するダイニングテーブルはその第一候補であり、同じものを食べる事の大切さは3.11以来とても重要な感じがする事のひとつである。また、嗜好品である珈琲や紅茶を楽しみながら、たわいもない語らいを楽しむというのもあるのかもしれない。集うという事が、住まいの重要な要素のひとつである事は是非とも再認識したいものである。
かつての高度成長期は、そのポイントがブラウン管のテレビであり、一方向に家族がそちらを向いて並ぶという、考えれば奇異な形が想像できた。近年テレビも薄型で存在が希薄になり、情報量も膨大になりすぎたためか、相変わらず「ながら生活」に拍車をかける人と、そこから脱却しようとする人の二通りが極端になってきた気がする。3.11以降の意識の変革は、一方向を向いて、家族間の会話が希薄であるという状態からそろそろ卒業しなければならないと言っているのかもしれない。かつて囲炉裏を中心に語らうDNAを呼び起こさなければならないのである。(つづく)
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