2014.01.31 Friday
性能を語る時代...。3
現時点で、性能の全く足りない空間を作り出した所で、その責を問われることはない。業界のモラルの問題だから、規正して罰則を設けるという事が良いのかどうかも分からない。ただ、著しく住まい手が今後不利益を得る事は必至である。
まずは、住まいづくりをしようという一般の方に対して、現実を理解していただく努力は必要だと思う。欧米では、建物にはエネルギーパス表示が既に一般化して、不動産購入や賃貸物件の選択の大きなものさしになっている。空間の構築には、意匠・構造・設備とともにエネルギーコンサルがしっかり入り、品質を守っている。先般のドイツ視察のお話を職人さんとしていて、「日本は30年くらい遅れている」と私が感想を述べると、職人さんたちは少々不満げな顔で「本当ですか?」と返した。「日本の技術はこんなに進んでいるのに」オーバーだろうという意味である。ただ、私に言わせれば、その進んだ技術は、大量生産やコスト管理、手間を惜しむための技術であって、性能をあげるためのものばかりではないような気がしてならない。極端な言い方をすれば、快適な環境とエネルギー消費に対する思想背景、哲学が30年くらい遅れてしまっている感じが否めないのである。(つづく)
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