2015.04.30 Thursday
「断熱」の真意...。4
何故「断熱」に手加減を加えるか、このくらいで良いと高を括るかということを考えていると、明らかに日本の住宅は「住まい手」の欲求を満たす為にあるのではなくて、国を挙げての内需の中心軸というか、何時の時代も景気浮揚の道具であるかのような扱いをされている為ではないかと思ったりします。まさに土建立国。住まいづくりにも原価というものがあり、利益率と言うものを考えると大衆が投資できる金額の上限から利益を確保すると断熱などのコストが明細からはじき出されてしまうということなのです。全くの本末転倒ですが、そう言う住まいづくりが長年行われてきました。住まい手の方からすればいい迷惑ですが、実は本当の室内空間の快適性というものを住まい手がほとんど経験した事がない為に、文句の言いようも無いのです。快適な空間が担保されれば、人はよりアクティブになります。屋外が快適な気持ちの良い季節は屋外で食事をしたいと素直に思うのだと思います。断熱気密の密閉空間は閉鎖的で、人間も室内で鬱々と暮らすのではないかというイメージは真逆なのです。