2015.09.30 Wednesday
東へ西へ...建築YAの日々 4
私の一日は、ポットに一日分の珈琲をドリップするところから始まります。豆が泡立ち膨らむのを見つめながら、その日一日の事を算段します。そうこうしているとアシスタントのMちゃんが出社して、方々から電話が入り始めて気ぜわしい時間に突入していきます。よくもまあ27年も雑多な連続のこんな事をしてきているなと自分でも思いますが、一日一日がものづくりのプロセスとして、山あり谷ありで変化に富み、何よりも一つとして同じケースが無いテーマに向かっているので飽きがこない。有り難い話しです。時々で様々な人と語り合い、同じ一つのゴールを目指していくという時間は、まさに至福の時間です。前稿で、「誰とどうやって創ったか」というプロセスが、実はボディーブローのように反映していくと言うような事を書きましたが、私の中のそのような感覚は年を取るほどに日々増しています。人間、喜怒哀楽があっての生き物ですから、なかなか情緒が常に安定しているなどと言う事は無いのですが、そう言う意味では、私たちはものづくりをする者として、少なくとも住まい手ののことを思いつつ淡々とものづくりを進めるリズムでいなければならないと思ったりします。毎朝珈琲のドリップと言う「儀式?」をするのも、いつまでも修行の足りない自分の感覚を、毎朝一旦ニュートラルにするためかもしれません。そうでなくてはあまりにも多種多様、雑多でカオスな事のいちいちを整理して、建築と言うものは出来上がっていきます。クリエイティブなデザインという要素などは、途中で簡単にへし折れてしまいそうなくらいです。どんなに斬新なアイデアを実現しようとしても、そこには「子どもさんの入学に間に合うように入居したい」とか、「融資の条件としては...」「親御さんが信じている占いの先生の言う事には...」「お隣さんが工事の時間帯に注文をつけて...」「昨今の円安で予定の材料が...」と分刻みで押し寄せてくるのです。これにいちいち大騒ぎをしていては、最初のアイデアは結実しません。まさに、日々ドラマのような事の連続なのです。
JUGEMテーマ:建築
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