CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2015 >>
SEO対策
解析
MOBILE
qrcode
ARCHIVES
CATEGORIES
不良在庫からの脱出...。4
 この国はどうも、敗戦後の復興がことのほか大成功を納めたがために、それが永遠に続く幻想にとらわれすぎるきらいがあります。アクセルを踏み切ったまま、まだ行ける、まだ行けると自分に言い聞かせ呪文の効力がなくなる事を妄信しているようにも思えます。かつて最大の敵国であったアメリカが、表面、面倒見の良い兄貴分になって、これからも希望に満ちあふれた社会が続くと誰でも思いたいのですが、実情は随分違っています。アメリカとてかつての強いアメリカではなく、弟分に手厚い外交をしてくれるとは限りません。アクセルを踏み続けるには少子高齢化で即戦力の数は日を追うごとに激減していっている。このままアクセル全開では、いつか支障を来す事は、誰にも理解できるはずですが、知って見て見ぬ振りをしているようでさえあります。
 ふと、衣食住を思う時、不良在庫ばかりで、いざと言うときに役に立たないものばりではないか、そう思わないようにしなければなりません。ヨーロッパを見れば、成熟した国の規範があります。社会資産としての住まいや公共施設がそこには300年、500年と言うオーダーで存在し、それ程アクセルを空ぶかしせずとも、淡々とやっていけるものがある。したたかに食料自給率もキープされ、エネルギーとて再生可能なものへのシフトが終盤に来ている国が多い。この差の余りものひらきには驚かされますが、新しいものを創りだす者の一人として、まずここを思わないではいられないのです。(つづく)
JUGEMテーマ:建築
◆読まれたらココをポチッとお願いします!→にほんブログ村 デザインブログへ ←ここですよ!
※あなたのPC・スマホからのワンクリックが励みです。笑
 ←ここも!ここも!
| 住まいづくりのヒント | 09:53 | comments(0) | trackbacks(0) |
不良在庫からの脱出...。3
 お仕事の依頼を受けて、敷地を見に行くと、瀟洒な良い仕事の民家が建っていたりすると、この家を何とか使えないかとよく思います。新規で家を建て替えたいと所望されているお客様からすれば、大きなお世話なのですが、新しいものに更新する立場にある私たちに取ってそう言う感覚は大切なものだと思ったりします。
 以前意見が通って新築がリノベーションになった事もありますし、私の思いが伝わらず、次の打ち合わせに伺ったときに早々に更地にしてあった事もあります。それぞれですが、やはり今あるものをきちんと見つめて、どうしようもないものをよりよいものに更新していくスタンスが無ければ、スクラップアンドビルドにブレーキはかからないのです。
 申し上げている「不良在庫」は往々にしてこの50年ほどで建てられた高度成長期の申し子のような家が多いです。新建材を多用して、何もかもがその場しのぎのような仕事が目立ちます。むしろ100年とか、150年とか、より古いものの方がまだまだ使えそうだったりします。その差は、時代時代に真摯に仕事に取り組んでいるかという違いであり、そう言う意味では高度成長期と言うのは長い歴史に見れば徒花だと言わざるを得ません。私たちもまた次の時代に評価される立場にありますが、どちらを望むかと言えば、言わずもがなです。
 時間に晒される覚悟が必要だといつも思います。(つづく)
JUGEMテーマ:建築
◆読まれたらココをポチッとお願いします!→にほんブログ村 デザインブログへ ←ここですよ!
※あなたのPC・スマホからのワンクリックが励みです。笑
 ←ここも!ここも!
| 住まいづくりのヒント | 09:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
不良在庫からの脱出...。2
 例えば、性能が全く足りずに現在のライフスタイルに合わないとか、老朽化して修復の方法がないとか、ましてや愛着も持てないなどと言う事になれば、それはいわゆる「不良在庫」と言う事になります。数の上では有り余っていても、日本の住まいの場合あまりにもこれが多すぎる。ましてやそれをこの期に及んでまだ創り続けているとしたら、誰にメリットがあると言うのでしょうか。「スクラップアンドビルド」という魔法で、再び景気が回復しないかと躍起ですが、私などは昨今のそう言う風潮には非常に疑問を感じます。35年のローンを組んで20年で何らかの手を加えなければ住むに耐えない。あるいは建替えを迫られるというのは悲劇というしかありません。ではなぜ「不良在庫」がこれほどまでに多く、いや今も尚増え続けているかと言えば、住宅産業と言うものが景気浮揚の基幹産業のように言われ、刻々と告げられる月刊ないしは年間の新築着工件数に一喜一憂するような感覚ではないでしょうか。そこには生身の住まい手の存在が感じられないのです。
 真新しいものが珍重されるのは悪い事ではありませんが、古いものが蔑ろにされる事があっては豊かさは蓄積されていきませんが、現代の日本はこの感覚と変なコストバランスによって、「どうせならもう建替えた方が...」という選択肢を望みたくなるような「不良在庫」に溢れていると言わざるを得ないのです。私たちは新たに住まいを創る立場の人間として、ここをしっかり見据えて、まず「建てない方法はもう本当に無いか?」というフィルターに一度通してみて、やはり建てなければならないという判断に至った場合は、この「不良在庫」にならないように十分検討しなければならないのだと思います。(つづく)
JUGEMテーマ:建築
◆読まれたらココをポチッとお願いします!→にほんブログ村 デザインブログへ ←ここですよ!
※あなたのPC・スマホからのワンクリックが励みです。笑
 ←ここも!ここも!
| 住まいづくりのヒント | 07:38 | comments(0) | trackbacks(0) |
不良在庫からの脱出...。1
 ご存知の通り、この国は今どんどん人口を減らしていて、冗談抜きで「絶滅危惧種」とでも言いたくなるような状態に見舞われています。様々な要因がありますが、一番大きいのは、未来に希望が抱けない荒んだ社会の状況に他ならないのではないかと思ったりします。
 そう言う意味では、すでに既築の住宅はどんどんダブついていき、新しい住まいなど建てなくても、数の部分では有り余っていると言う状態になっているのです。では、「建てなくて良いではないか」と言われれば、そうなんです。建てなくて良いのですが、もの事には「更新」と言うものがあって、老朽化して使いにくかったり、今のライフスタイルに不具合があるものなどは建て替えていかなければならないのですが、この「更新」の部分を私たちはよくよく考えていかなければならないと思うのです。 
 よく言う「スクラップアンドビルド」はかつてこの国の真骨頂でした。社会資本が無く、右肩上がりの社会では、建てちゃー壊しは確かに経済を活性化していくのかもしれませんが、現政府の一方的なプロパガンダは別として、決して膨張傾向には無いこの国において、これからもその路線を継承する事は決して豊かさを生み出さないのではと私などは思います。本来適正な「更新」を行って、成熟した社会を形成していかなければならないのですが、今の社会の動きは東京オリンピックを始め、未だ「スクラップアンドビルド再び」を望んでもがいています。幻想から目を覚まし、本来あるべき状態に更新していくのはどうしたら良いのか、そんな事をよく考えます。(つづく)
JUGEMテーマ:建築
◆読まれたらココをポチッとお願いします!→にほんブログ村 デザインブログへ ←ここですよ!
※あなたのPC・スマホからのワンクリックが励みです。笑
 ←ここも!ここも!
| 住まいづくりのヒント | 10:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
住まい作り報告 八幡西区N邸 上棟
 雲一つない秋晴れの晴天に恵まれた日曜日、北九州市八幡西区のN邸の上棟となりました。写真の右側にあるのは、N様がオーナーでこの3月に開所した、障がいを持つ子どもさん達のための施設「放課後等デイサービス」子どもの城です。敷地の奥まったところに、Nご一家の新居を建てると言う第2期とも言える工事が始まりました。施設を見守りながら、ご夫婦の終の住処として暮らすための、また二人のお子さんの今後の暮らしの拠点としての住まいです。施設とともに計画してきました。土地の背面が運動公園で、南南東に向いていると言う好条件を活かして、欲しい眺望や採光は講演側から頂き、施設と共有する駐車スペースやアプローチ周りは、プライバシーを侵さない程度の距離感を持ってまとめています。従って前面道路からは少しおとなしめの表情の建てものとなりますが、公園側には大胆なウッドバルコニーを取りました。弊社が敷地境界に近い差し迫った土地で創るバルコニーとして何度も取り入れている手法ですが、前倒しに斜めに立った柱でバルコニーを支え、その桁でたっぷり出た軒を支えると言うものです。1階のウッドデッキでは柱が邪魔にならず、ウッドバルコニーの広さも適度に取れ、なおかつ深い軒が取れると言う利点があります。この日も難しい組み方で時間がかかりましたが、無事に柱も所定の角度で固定されて、組み上がりました。今回のN邸ではいくつかの課題があります。娘さんのアトリエを内包していますし、少し障がいをお持ちのS君のために、彼が怖がらずに昇降する階段を作り上げなければなりません。この日も上棟に立ち合ってくれたS君から「怖くない階段をつくってね」と念を押されました。笑。普段から優しい階段には務めていますが、その集大成としての課題に挑みます。愉しく仲の良いご家族の暮らしが、福岡からこの八幡西区に移られても今まで以上に愉しい者になるべく、最後まで工事を進めていきたいと思います。     JUGEMテーマ:建築
◆読まれたらココをポチッとお願いします!→にほんブログ村 デザインブログへ ←ここですよ!
※あなたのPC・スマホからのワンクリックが励みです。笑
 ←ここも!ここも!
| 住まいづくり報告 | 07:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
| 1/7PAGES | >>