2015.10.31 Saturday
不良在庫からの脱出...。4
この国はどうも、敗戦後の復興がことのほか大成功を納めたがために、それが永遠に続く幻想にとらわれすぎるきらいがあります。アクセルを踏み切ったまま、まだ行ける、まだ行けると自分に言い聞かせ呪文の効力がなくなる事を妄信しているようにも思えます。かつて最大の敵国であったアメリカが、表面、面倒見の良い兄貴分になって、これからも希望に満ちあふれた社会が続くと誰でも思いたいのですが、実情は随分違っています。アメリカとてかつての強いアメリカではなく、弟分に手厚い外交をしてくれるとは限りません。アクセルを踏み続けるには少子高齢化で即戦力の数は日を追うごとに激減していっている。このままアクセル全開では、いつか支障を来す事は、誰にも理解できるはずですが、知って見て見ぬ振りをしているようでさえあります。
ふと、衣食住を思う時、不良在庫ばかりで、いざと言うときに役に立たないものばりではないか、そう思わないようにしなければなりません。ヨーロッパを見れば、成熟した国の規範があります。社会資産としての住まいや公共施設がそこには300年、500年と言うオーダーで存在し、それ程アクセルを空ぶかしせずとも、淡々とやっていけるものがある。したたかに食料自給率もキープされ、エネルギーとて再生可能なものへのシフトが終盤に来ている国が多い。この差の余りものひらきには驚かされますが、新しいものを創りだす者の一人として、まずここを思わないではいられないのです。(つづく)
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