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居場所をつくるということ...。3
 住まい手ひとりひとりに無限の選択肢がある中で、その方にいつまでもフィット感のある「居場所」をと考えるのですからその責任は重大です。また、そうやって私を信頼してくださる方のお仕事ですから、仕事が終わる頃には私の中には自ずと墓場まで持って行かなければならないその方の膨大な事柄が残ります。「そんな事まで委ねてくださって」と思う事柄は、私の中だけでずっと沈殿しています。時には意気投合し、時には反駁し合い、丁々発止を繰り返し、そして住まいが出来上がってからも、おつきあいは続くのです。単純な物売りと、我々の生業とが少し違うのはそう言うところにあるのかもしれません。それがこの仕事の醍醐味であり、また大変さでもあるのです。
 めったにないのですが、数年前にご縁がありお会いして住まいづくりの依頼を受けかけたお客様に、まずは比較するので一案と言われ、この稿でお話ししたような事を丁寧にご説明し、まずは誰に委ねるのか決められた方が良いとお話ししましたが、結局話はその後立ち消えになり、計画地にはその後某大手ビルダーの販売住宅が建っていました。私はやはり軽々にプランなど出さずに良かったと思いました。悩まずに、カタログや展示場であらかじめ確認できるそういう住まいで満足できるのであれば、それはそれで幸福な事です。ただ、近年そう言う住まいが決して我々が考える住まいよりも安価ではなく、むしろ高価だと言う問題はありますが、総じて我々と徹底して長期間にわたって産みの苦しみを味わいながら創るよりもお手軽である事は確かです。そこに落ちつくのならば、私が悩む必要もないのです。
 そう考えると私を支えてくださるお客様は、何と寛大で辛抱強いかと言う事になります。本当に感謝しなければなりません。(つづく)
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| 住まいづくりのヒント | 07:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
居場所をつくるということ...。2
 住まいづくりにおいて、私たち作り手と住まい手のコミュニケーションの第一歩がたいへん大切だと言う事を述べました。およそ人類以外の地球上の生物のほとんどが、自分の巣作りは必ず自分自身を物差しとして自分でしますから、第三者に委ねる時点で、まずしっくりとした居場所が出来るかと言うところがここにかかります。私の場合、異常なほどにここに時間がかかりますが、やはり重要なのでここを端折る訳にはいきません。住まいづくりには無限の答えがあります。私以外のパートナーと言う選択も無限にあるのですから、そこを住まい手にも吟味していただきます。良く、ろくにお話もせずに何案か出してくれというご要望がありますが、残念ながら私にはそれに答える暇がありません。ましてやその住まい手にとって、一番良いと思われる住まいは私の中には一つしかない。一つになるまで練らなければ出せない。つまり、まずは住まい手に自分の居場所づくりのパートナーとして、私と言う者を選択して頂いたなら、そこからプランづくりが始まると言う事なのです。
 この事も、回りくどいと言われますが、長年やってきた結果、こうするのか一番最後までスムーズに行く気がしてなりません。瞬時に何プランも持ってくるビルダーさんや事務所もあるのだそうですが、申し訳なくも私の能力では、それは叶わないのです。(つづく)
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| 住まいづくりのヒント | 07:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
居場所をつくるとということ...。1
 思えば、わざわざどこにいるかも分からない私の事を探し出してくれて、私に自分の「居場所」を創ってほしいとご依頼いただく生業が何十年も続いています。奇特な方達の御陰で何とか生きておりますが、近頃の社会情勢や世の中の諸々を眺めていると、悠長にそんな事をしていて良いのかと何処かで問われているような気がして、心穏やかでない時間を過ごす事も少なくない今日この頃です。逆にこんな時代だからこそ、一つ一つをおろそかに出来ないとも思い、いよいよ責任重大という感覚にもなります。自然界から人類が切り取った社会と言うゾーンから、スプーンですくいとるようにこれまた自分だけの居場所をすくいとって、それぞれに味付けをして居心地の良い「居場所」を構築するのですが、その中でも私たちが行うのは、その住まい手のためだけのカスタムメイドな場所ですから、如何にその住まい手の事を私が把握しなければならないかと言う事がたいへん重要だと言う事になります。お会いした瞬間から打ち解けて、何十年も前から隣人だったような錯覚に陥るほどに、馴染みの良いの方もおられれば、押しても引いてもままならず、笑、では何故私にご依頼するのか?と伺いたくなるようなパターンも出てきます。(ただ、これは言った瞬間に終わりですから、私たちはこの言葉は禁句として、試行錯誤がエンドレスに続きます)自ずと前者はスルスルと話が進み、私のようなつたない構築力でもファーストプランがさらりと出来上がり、トントン拍子に行くのですが、後者は難産に続く難産、しびれを切らしたお客様が、真面目にやってんのか?となる事もあります。ただ、私の中では後者のパターンほど私の思考の大半の割合を長期に支配し、真摯に産みの苦しみの中で費やす労力は申し訳なくも前者に比べれば何倍にもなります。お受けした限りは...と言う思いから、その格闘は日々続くのです。つまり住まい手の「居場所づくり」は、私と住まい手とのコミュニケーションから始まります。随分と回りくどい事のようにも見えますが、実はフィット感のある住まいへの最短距離と言う事も出来、とりあえずは、私はなるべくオープンにブログやWEBで情報開示をして、住まい手がまずご自分と私が合うかどうかを判断していただくと言うところから始めるのです。
 今回は、居場所づくりのプロセス、少しそんな事をお話ししてみましょう。(つづく)
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| 住まいづくりのヒント | 08:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
住まいづくり報告 山口市N邸7【和室・吹き抜け】
 今回は非常に艶っぽいベンガラ色を選ばれたNご一家、この住まいの中で唯一畳敷きのコーナーは、こじんまりと、でも落ちついた良い雰囲気のお部屋になりました。普段はコーナーの障子戸を全開して、リビングダイニングと一体化して使われる事の方が多いのかもしれません。そう言う意味では開放的な一コーナーとしての日常ですが、いざ来客となればご両親の宿泊にも対応できるスペースとなっています。1階で明確に仕切られているのはこの和室スペースのみであとは大きなワンヴォリウムを絞ったり開放させたりしながら繋がっている空間となっています。暮らしと言うものは、基本的にダラダラとエンドレスな時間が流れるものでそのシーンをメリハリ良く演出するための住まいとして、場面展開をスムーズにいくように考えて行くと、こうなる事が多いです。さらにその空間がリビングの吹き抜けからゆっくりとした階段で2階に繋がり、冒頭でご紹介した書斎コーナーや寝室、子ども室へと繋がっています。性能か担保されている住まいでないと、これほど開放的な空間は作れないのですが、想定として冬は1階のエアコン一台、夏は2階吹き抜けのエアコン一台を基本として四季をカバーしようとしています。山間部で冬の厳しいときは2台ですが、温度を溜めることが可能な住まいだから、そこまで冷やさないで一定温度を溜めておく事をご説明しています。
 外観からは、一見想像できないモダンな空間となりました。ご夫妻のお人柄がよく出ています。アンティークな趣味の良い調度品が沢山持ち込まれれば、空間も喜ぶと思います。いよいよ、Nご一家の新しい暮らしがここに始まります。住まいづくりはここがゴールではありません。むしろここからがスタート。私たちも作り手から、見守りの体制に入って行きます。
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| 住まいづくり報告 | 08:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
住まいづくり報告 山口市N邸6【階段】
 玄関ホールからワンクッション、間合いを抜けるようにリビングダイニングに入ってくるのですが、その間にこの折り返し階段があります。今回は手すりに新バージョンが生まれました。私たちの作る階段は基本的には登りも降りも手すりを使いません。それくらい傾斜が緩いので、殆どの方が手すりにはさわる事なく昇降されるのです。そう言う理由もあって、手すりは軽快に目立たないようにスチールのフラットバーなどで主張なくデザインされるものが多いのですが、今回はお客様から手すりを意識的にさわって昇り降りするから、スチールでは冷たい感じがすると言うお話がありました。そこは、長年の棟梁とのコンビネーション。さてどうしようと現場と事務所でお電話とスケッチで協議しながら、最終的にはレッドオークの笠木を取り付けました。ディテールを今後さらに詰めて行けば、定番のものになって行く可能性も大きな雰囲気の良いものになりました。ご一家も出来映えには満足していただいています。しばしばお客様のこういうご要望に私たちは試行錯誤を繰り返し、現場でアドリヴを施しながら、私の住まいづくりは日々進化して行き来ます。憶いもよらぬアイデアが形になって行くのです。一個人の住まいだからこそ、少しでもその方にフィット感を感じてもらえるようにと言うのがコンセプト。毎回そう言う発見が私たちにとっても楽しみです。
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| 住まいづくり報告 | 09:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
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