2016.05.31 Tuesday
住まいづくりと土地にまつわる話...。1
日本人の中には土地神話と言うものが何代にも及んで身体に刷り込まれていて、その感覚から抜け出せない人がとても多いです。「土地さえあれば、何とかなる」「土地だけが残りさえすれば」という台詞は良く聞きます。わずか数十坪の自宅を建てる土地に対しても、並々ならぬ執着があって、住まいづくりのコストの大半をつぎ込んで、あとは野となれ山となれと言うお話は本当に少なくない。確かに、立地と言う意味では住まいの重要な要素ではありますが、理解しなければならないのは、土地コストと言うのは住まいづくりのコスト総額の中でも、日々の満足度に一番反映しにくい部分であるということなのです。「不動産」という言葉の響きに、何となく不動の財産、揺らぎのない恒久的な価値を連想される方も少なくないのかもしれないですが、私はよく、「動かしようのない財産」「動け(不)ない財産」だとご説明します。じわじわでも値上がりし、目減りしないと言われますが、その地面の上に住まい手が暮らしている限り、地価は固定資産税に反映されて高額なほど不利なだけで、住まい手にはメリットではないと言うことをふまえて予算取りしていかなければなりません。土地代は、リアルタイムな財産ではないと言えば言い過ぎでしょうか。自分たちがその土地の上からいなくなり、孫子の代に執着もなく売りさばいて初めて価値が出てくるものなのです。
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