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格差社会とエネルギー。5

 この稿の最後になります。 

整理すれば、照明と通信、冷蔵庫と温度上昇を冷やすためのエアコンを電気でまかなうとして、暖房や給湯は熱エネルギーですから、まず太陽熱の利用とバイオマスの利用を検討するべきかもしれません。日本人は湯船に浸かる入浴をするために、給湯のためのエネルギーが欧米よりも遥かに大きい。これに消費する大量のエネルギーを電気エネルギーでまかなうというのは、まともに考えればロスも多くなかなか厳しいことなのです。

 何よりも、室内の空調のための負荷は、その住まいの基本性能によって決まります。どれほど屋外と熱が遮断できるかと言う断熱性能がエネルギー消費を絶対的に決めてしまうのです。つまり、来るべき熟れた価格の家庭用のバッテリーで、創った電気をある程度貯められる時までに、先行してやるべきことは、基本性能が高い住まい空間を作ると言うことです。

 冒頭で書きましたが、好むと好まざるとこの国の格差社会は広がっています。ドイツの賃貸アパートでは、室温が20℃以下になる空間は賃貸してはいけないと言う決まりがあるそうです。それ以下の温度になることが分かれば、借り主はその改善を求めることが出来て、家賃の一部減免などもあるのだそうです。賃貸アパートでこれですから、ましてや戸建住宅など求められる性能はそれ以上であることは自明のことです。最低限の暮らしの「質」と言う部分で、室内で暑い寒いを感じてしまうと言うことは、あり得ないと言うことだと思います。

 どんなに格差が広がっても、人間として生存する最低の権利として、そう言う社会でありたいと思いますが、少なくともこの国は、むしろ逆行してエネルギー奴隷を創りだし、消費をあおり、なければ困るだろうとお為ごかしにそのコストを吸い上げていくシステムが未だ根強く残っています。その悪循環からの離脱として、庶民レベルで高性能な住空間を少しでも増やしていくことは遠道のようでむしろ最短距離のようにも思えてくるのです。(おわり)

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| 住まいづくりのヒント | 09:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
格差社会とエネルギー。4

 ただ如何せん、電力は貯めておくのがとても難しい代物です。この手の技術開発の分野でも、バッテリーが家庭用のものとして妥当な金額で簡単に入手できるところまでは、今しばらくかかるようです。日進月歩ですから、いずれは難なく屋根の上で作った電気を自宅用にしっかり貯めて、その電気のみで暮らせる時代もやがて来ると思われます。「オフグリット」という言葉がそれに当たりますが、いわゆる大きな電力網などのグリッドとの接続をオフして、個別に創エネと消費を完結できる暮らしのことをいいます。国内にもそう言う暮らしをすでにされている方もおられますが、まだまだ一般的と言うところまでは行っていないのが現状です。今までの暮らしを温存しながら、それを達成するにはいささか難があります。消費が大きいのです。今のところ家庭で使われる電気は、照明と通信機器などの弱電に関してはLED電球などで本当に小さな消費になっています。あとは、冷蔵庫、洗濯機などの白物家電、これもある程度省エネが進んできています。次に空調、冷房とセントラル換気に関しても電気を使います。現在のオール電化の家では、これに調理のIHと給湯・暖房等の消費があります。これを全て電気でまかなうと言う事になると、なかなかオフグリッドには向かえないのかもしれません。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
格差社会とエネルギー。3

 国や巨大電力会社がこれまで推奨してきたエコ政策も、今から思えばいささか眉唾なものです。私の父方の郷里の愛媛県伊方町の山々には、沢山の風力発電のプロペラが海風に乗ってゆっくりと回っています。我が祖先の山にもこの鉄塔が立っていますが、当時、子供心にも私は素直にそれを好ましく思っていました。ただ、その鉄塔が建ち始めたのは、思い返せばまさに伊方原発誘致の頃からだったのです。原子力と再生可能エネルギーの風力をセットで誘致するという、それは目くらましだったのかもしれません。考えてみれば、電気を売る商売の会社です。個々の自宅で作った電力を買い取り送電線に逆流させるなどと言うことを、好んでする筈もないのです。再生エネルギーの創エネにも真摯に取り組んでいる体でここまで来たのかもしれませんが、電力自由化と再生エネルギーの台頭に伴い、本当の牙をむき始めたのかもしれません。

 もし、売電価格がどんどん引き下げられ、新電力会社からの電気にも廃炉費用分担が来るようでは、家庭の屋根で作る電気を一旦貨幣価値に置き換え売買電するという「原発ありき」のこれまでの創エネ手法は、格差社会を助長するばかりで、そのブレーキには貢献しないと言うことが出来るかもしれません。エネルギー奴隷と言えば言い過ぎでしょうか。そこから早く抜け出さなくてはなりません。「作った電気は、お金に変換せず、作った場所で貯めて使う」そう言う手法へのシフトがこれからの創エネだと思うのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
住まいづくり報告 福岡市南区M邸地鎮祭

 さる日曜日の朝、南区の閑静な住宅街の一角で、かねてから準備を進めて参りましたM邸の地鎮祭が執り行われました。ご夫妻と子供さん二人の4人家族の新居がこれから着工になります。床鎮めで有名な神社の神主様の祝詞奏上、清々しい空気に包まれながら無事の工事を関係者皆で祈ります。M邸は、来月竣工となります糸島N邸と同じく、壁・屋根ともに弊社考案のパネル工法を採用し、太陽光発電の創エネと合わせて高性能住宅を目指します。次第に高まる高性能住宅へのニーズと様々な要因での建設価格の高騰、時代に見合ったタイムスケジュールとのバランスなど、益々我々を取り巻く状況は厳しくなるばかりで、そんな中でより良い住まいをご提案していくことの難しさを日々痛感しています。創意工夫を重ねながら、次世代に繋げるよいものをという私たちの思いを、少しでも現場に込めていけたらと思います。

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| 住まいづくり報告 | 07:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
格差社会とエネルギー。2

 考えてみれば、この国のエネルギー政策は、これまでお国と巨大電力会社の思うままで、原爆投下で唯一の被爆国であり、地震大国でもあるこの国が何故にこれほどまでに原子力発電を推進してきたか、そして事故後も舵取り不能の巨大船のようにズルズルとそのまま進んでいるのか、今となっては甚だ疑問ですが、もうそろそろ、異なる立場の一般庶民の立場からでも、無理なことを突き進んできた事実を見つめ、方向転換への模索をしなければならないのだと思います。

 既成の巨大メディアが全く信頼できない状況にあるのと同時に、ネット世界に飛び交う過激な情報を全て丸呑みにすることも出来ませんが、少しブィルターを自分なりにかけてみても、今のこの国はいささか狂っている。正気の沙汰とも思えません。普通に考えれば、福島の事故の処理は全く終わっておらず、地域への帰還は愚か関東首都圏への影響も懸念される状況なのではないでしょうか。少なくとも、今後原発を安全なものだと認識して、次々と再稼動する意義とは一体何でしょうか。私はその妥当性をどこにも見いだせません。ただ、政府と電力会社はそうしたいと言っているのです。後始末はこちらも含めて皆で負担だと厚顔無恥にも言いながら。もう何年も他のエネルギーでしのいできています。原発が安全などともう誰も思っていません。安価であると言うことも、この事故で、後始末も自前で出来ないくらい真っ赤な嘘であることは明らかになりました。なのに、どうしても原発をやりたいのです。本当に困ったものですが、ぼやいてばかりもいられません。そうならないために、何かを言い、何かをしなければならないのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:32 | comments(0) | trackbacks(0) |
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