何も感じないと言うとなんとも無味乾燥なイメージがつきまといますが、そうではありません。感じないと言うことは、いわゆるストレスが減ると言うことなのです。「冬暖かくて夏涼しい家」と言えば聞こえは良いのですが、正確には「夏冬暑くも寒くもない家」と言ったほうが実は理想を表現するには正確と言うことになります。
北海道で超高性能に取り組むお仲間ビルダーの社長は、ご自分のご自宅での経験をふまえて「お風呂の概念が変わる」と言われます。寒い時期、湯船に肩までゆっくりと浸かる幸せは日本人独特のものかもしれませんが、余りこれを欲しないと言われるのです。どうかするとシャワーだけで全然大丈夫。リラクゼーションや温泉感覚の嗜好はこれからも残るとは思うのですが、超高性能な住まいでは、それによって身体を暖める必要がないのです。むしろ身体を衛生的に洗う場所という感じ。またまたそう言うと無味乾燥な感じですが、私はこのお話を伺って、湯船に浸かる風習が希薄なヨーロッパを思いました。そうか余り必要に迫られていないと言うことかと。前述のように、リラクゼーションや温泉の感覚は万国共通だと思うのですが、暮らしの中の所作として、発達する必要がなかったのかもしれません。寒い夜などに、湯船につかって身体がとけていく快感はなんとも言えないものですが、実はその後冷えた脱衣室に戻ることでヒートショックを起こす危険も孕んでいると言うことも言えます。
言葉のイメージでなかなか伝わりにくいのですが、一旦ニュートラルになれる先の世界と言うものはもっと私たちに優しいものだと言うことが出来るのです。(つづく)
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