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レトロフィットという処方箋...。5

 「レトロフィット」という古い物に新機能を加えていくと言う言葉について少し語りました。年が改まりますが、私は新年からはこの分野にも積極的に取り組んでいきたいと思います。古い物と高性能との間を埋めるものは技術なのかもしれません。その技術は、すでにここにあります。この春のドイツのカンファレンスでは、文化財の指定を受けている古い農業倉庫の建物が外観もイメージのままにパッシブ性能の近代的なオフィスに生まれ変わっている好例を見学してきました。土地建物を所有しなければならないと言う膠着した古い概念と「街暮らしがしたい」と言う矛盾。社会状況の変化の中でなかなかコストをひねり出す事が出来ない方達への一助になればと思っています。ここで間違ってはいけないのは、新築のコストが出ないから中古リフォームへという流れの中で、レトロフィットにはそれなりのお金はかかると言う事です。表面の仕上げだけを変えるリフォームとは別のものだと考えた方が良いでしょう。もっと言えば新しいもの以上に某か価値をみいだせるものを再生させるものだと言う事が出来ます。これから余っていく都市部のマンションは、地の利と言う魅力があります。そこに魅力を感じる人にとっては、レトロフィットもおおいなる意味を持つものだと思います。古いものを新しい機能を付加して最新の性能にしていくという「レトロフィット

」取り組んでいきたいものです。

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| 住まいづくりのヒント | 10:40 | comments(0) | trackbacks(0) |
レトロフィットという処方箋...。4

  さて、リフォーム、リノベーションとかリファインという言葉の「re」には、再とか否といった前段の有様を一旦否定する感覚があるのですが、レトロフィットという言葉には古きものに足りないものを付加していく感覚が織り込まれている感じがして私は好きなんです。表層のお色直しが殆どのリフォーム業界ですが、私が手がけるとすれば「レトロフィット」だと思っています。これからおそらく、だぶついて余ってくるであろう福岡中心部の築年数がかなり重ねられたマンションの空間を、私たちのテクニックによってレトロフィットしていきたいと考えています。通常木造住宅の演算解析に使用している「建もの燃費ナビ」は実はマンションなどの空間の解析にも応用が利きます。本来マンション等の鉄筋コンクリート造の建物は、駆体コンクリートが蓄熱性に優れているために、外断熱を施せば簡単に建物全体が省エネできますが、非常に残念なことですが日本の鉄筋コンクリート造の建物はそうなっていません。区分所有と言う変な概念と建設業界の都合なのかもしれませんが、私たちはその区分所有の範囲内においても、演算解析をしてマンション空間を超省エネで快適な空間にするレトロフィットは可能なのです。マンション購入を検討される方から相談されると、わたしは中間階の左右中間部屋を買いなさいと言います。真意は上下左右が冷暖房してエネルギーを加減してくれるからです。便の良い街暮らしを愉しみたい方には、あり得る選択肢だといえるのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 09:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
レトロフィットという処方箋...。3

 例えば福岡市内で、土地購入から戸建て住宅の建設までとなると、土地代がかさみ過ぎでとてもまともな住宅を建てるための資金が残らないと言う問題がしばしば起こります。子どもの学区の問題や、通勤による事情はありますが、塩漬けになる土地資金に大枚をはたいてしまい、陳腐な家でストレスばかりのくらしをすると言うのもどうもおかしな話です。ましてやそれが、実のある予算配分だと思えない仕組みには、何とか知恵で対抗したいものです。私は安い土地に理想的な住まいを建てると言う意味では、少し辺鄙な田舎でも十分楽しめると思いますが、どうしても弁の良い都心部に暮らすと言う意味では、乱立するマンションのレトロフィットも十分視野に入れるべきだと思います。おそらく、戸建て親派には、「ローンが終わる頃には建物は無価値だけど土地は残るから」という感覚が根強く残っているのですが、その発想、少しおかしくないですか?あえて、冷静に「だから?」と問いたい。そうやって土地が残っても、その土地は自分たちが立ち退かなければ価値を生まないし、孫子の代にためらいもなく売りさばかれるのがオチの話なのです。自分たちの日々の暮らしのストレスを犠牲にして、何を残すと言うのでしょう。であれば、これから都心部に余り始めるマンション空間のレトロフィットも検討すべきかと思ったりします。今でもマンションリノベも巷にあふれていますが、表層の仕上げ改装に終わり、奥様の気になる水回りを改善するところまでで終わっているのが殆どですが、実は、空間の性能を上げると言う意味では、戸建てよりも遥かに容易にレトロフィットが叶う素材だと言う事が出来るかもしれません。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 08:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
レトロフィットという処方箋...。2

 考えても見てほしい。1997年に消費税が5%になり、2014年に8%になりました。先送りしているとはいえ、近々10%になる予定を考えると、住宅建設予算の1割は税として国にもっていかれる計算となります。特別減税だなんだと言っても、感覚的に10年前とは比べると倍にもなったことになります。例えば内税で考えた場合、資金2000万円税込みの家の実質金額は10年前では税別1904万円のものが、近々10%になると税別1818万円と200万円近くも目減りしてしまっている。しかも、近年省エネ分野では、日本の家の省エネ性能は欧米に比べて極端に貧弱である事が分かってきていますから、更なる性能アップを図ればコストは上がってきます。その上、物価上昇だけではなく、人手不足や建材の価格高騰でいよいよコストアップは必至ですから本当に大変です。これで工務店の社長が高級外車を乗り回していたとしたらどんな原価の住まいか甚だ怪しくなってくるし、これまでの方法で住まいづくりを考えると、以前の感覚からすると戸建て住宅が随分高嶺の花に見えてしまいます。ましてや都市部で土地の購入からと言うスタートでは、ローンが通らないお客様も出てくるのは必定、格差社会はそこまで押し寄せてきているのです。そんな中での、住まいづくりは知恵の戦いです。田園風景の中の戸建て住宅はまだしも、都市部ではわざわざ地面を買って戸建てを建てるということは、段々難しい時代に入ってきていると言えるかもしれません。しからば、冒頭でお話しした既存の余っているものを活用する事に着目するというのは、一つの真理だと言えるのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 06:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
レトロフィットという処方箋...。1

 この国の今年の新生児の数が100年人を割り込んだとニュースで報じられていました。いよいよこの国は、急速な人口減少が具体的に加速する局面にきていると言っても良いのかもしれません。統計によると、住まいもすでに数の上では余っていて、つまりは住まいづくりをしている我々としてはおまんまの食い上げという構図が見えてきています。それでも何とかお仕事を頂いているのは、その余っている既築の住宅の大半が、手に余る性能不足のどうしようもない住宅で、資金がある人はそう言う住宅を求めないと言う事からなのかもしれません。

 昨年、そして今年と連続して、ドイツの国際パッシブハウス研究所のカンファレンスに赴くと言う好機に恵まれましたが、最初の年、昨年ライプチッヒで開催されたカンファレンスで私が遭遇した言葉「レトロフィット」について少しお話しをしようかと思っています。「レトロフィット」とは、旧型の機械に新しいパーツ等を付加する事によって、新機能を生み出すと言う自動車業界などで使われていたのが起源の言葉で、研究所でも、既築の建物に性能を付加して高性能な最新の建物に再生させるプロジェクトによくこの言葉を使われていました。以来私の頭の中に、ずっとこの言葉があります。政治は景気が緩やかに回復傾向とペテンな事ばかりを連呼していますが、この国の国民はどれほどそれを実感しているかというとかなり眉唾なお話です。賢く暮らす国民としては、住まいづくりを新築ばかりに絞らずに、あらゆる可能性をも含めて考えるべきだと思います。私は住まいづくりを生業とする者のひとりとして、新築と同じくもう一つの住まいづくりとして、この「レトロフィット」を積極的に取り組むべきだと思っています。中古住宅をリフォームするというお話は徐々に盛んにはなっていますが、見た目だけを何となく真新しくすることに終始している感も否めません。これから賢く暮らすための「レトロフィット」を処方したいと思います。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
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