「レトロフィット」という古い物に新機能を加えていくと言う言葉について少し語りました。年が改まりますが、私は新年からはこの分野にも積極的に取り組んでいきたいと思います。古い物と高性能との間を埋めるものは技術なのかもしれません。その技術は、すでにここにあります。この春のドイツのカンファレンスでは、文化財の指定を受けている古い農業倉庫の建物が外観もイメージのままにパッシブ性能の近代的なオフィスに生まれ変わっている好例を見学してきました。土地建物を所有しなければならないと言う膠着した古い概念と「街暮らしがしたい」と言う矛盾。社会状況の変化の中でなかなかコストをひねり出す事が出来ない方達への一助になればと思っています。ここで間違ってはいけないのは、新築のコストが出ないから中古リフォームへという流れの中で、レトロフィットにはそれなりのお金はかかると言う事です。表面の仕上げだけを変えるリフォームとは別のものだと考えた方が良いでしょう。もっと言えば新しいもの以上に某か価値をみいだせるものを再生させるものだと言う事が出来ます。これから余っていく都市部のマンションは、地の利と言う魅力があります。そこに魅力を感じる人にとっては、レトロフィットもおおいなる意味を持つものだと思います。古いものを新しい機能を付加して最新の性能にしていくという「レトロフィット
」取り組んでいきたいものです。
JUGEMテーマ:建築