政情不安の中で、何十年もの住宅ローンを抱える事は実は不安ではないでしょうか。これまでであれば、10年後も20年後も自分のポジションは変わらずに、ごく普通の暮らしが出来たと想像できたこの国ですが、近年のまやかしばかり偏重ばかりの政治では、その安定感は瓦解の一途と言わざるを得ません。少なくとも、一個人のライフプランのボーダーラインを、自らしっかりと見定めて、決して無理をしない事が肝要だと思います。これから世の中は人口減少と高齢化が加速するというのに、福岡市内などは地価が高騰しているのは、私は理解に苦しみます。やがて、本来の状態に戻る反動があるとすると、高い土地を今無理して買う事ほど割に合わない事はないのではないでしょぅか。また供給過多である筈のマンションが、筍のように未だ建ち続けているのも異様です。いたるところで工事がなされ、折り込み広告は以前以上に増えています。何処かのお友達優先内閣が連呼する「経済発動」を真に受けて、あるいは不安材料は認めずに、考えたくないから希望的見解で妄信して突き進んでいるような気がしてならないのです。もう一度、冷静に考えて、この国は景気が上向きに動いているのでしょうか。土地価格が高騰する理由がどこにあるのでしょうか。オリンピックや万博が始まれば、バラ色になるのでしょうか。もちろん、景気は気のものと言いますから、否定的な事ばかり言っては行けないのかもしれません。ただ、あまりにも実情と期待値が遊離していくのは、波状した時の被害が大きいと思うのです。そんなノリで、あったかく、優しい住まいづくりが出来るとも思えないのです。(つづく)
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