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これからの住まいづくりの正義。5

 さて、最後の稿です。今回は、これから建てる住まいの正義についてお話ししました。少子高齢化、人口減少が雪崩のように押し寄せてくる現実を受け止めれば、住まいは数的にはすでに余っている。数的に余っているものを、あえて新しく建てる必要があるとすれば、そこには何らかの理由と言うか必然的な「正義」がなければならないのではないでしょうか。余っている住まいが、優良な、今後も済み続けるに値する住まいであれば、本当に建てる必要はないのですが、スクラップアンドビルドを続けてきたこの国の住まいは、残念ながらそんな魅力的なものではありません。であれば、新築の住まいの正義は、「良いものに更新する」と言うことにあるのです。これまでと同じ、20年で魅力を失う家、家族の世代交代について来れない家、20年もすれば無価値となり売買も出来なくなる家をもう建ててはいけないのではないかと思うのです。さらに残念な言い方をすると、現在も建て続けられている住まいの大半が、過去のスクラップアンドビルドの住まいを引きずってしまっている現状がありますから、業界も建てる方もよくよく考えなければならないのです。少なくとも、2020年に始る省エネ法義務化は、この魅力を担保するものではありません。もっともっと高性能であることは十分にできることであり、今後の新築には必須のことなのです。義務化が産まれれば、義務ギリギリの住まいは存在してきます。建てる側がそう言う選択をしないことが今の住宅事情を改善する一歩だと思うのです。むやみに建てない。既築住宅で救いようのある住まいはレトロフィットして住まい続ける。あえて新築する住まいは今後の50年を見据えて建てる。そんなところでしょうか。少しずつ変えない限り、社会は変わりません。孫も、子も、生涯年収のかなりの額をつぎ込む国などこの国以外にありません。3代住み続けることができれば、負担は各代1/3です。そんな単純計算からも、そんな家なら今よりも少し予算をかけてもお徳だと言うことが分かります。住まいの時間スパンは50年、100年であるべきです。少しずつでも変えていかなければ、国の豊かさは蓄積されていかないのです。(おわり)

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| 住まいづくりのヒント | 07:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
これからの住まいづくりの正義。4

 例えば小さな壁掛けエアコン一台で室内の熱環境を整えることは余り特別なことをしなくても出来るようになっています。設計段階でその地域の気象データと建物の性能を読み込めば、熱負荷がどれくらいかかって、どんな空調設備が必要かが推定できるようになってきています。25年前は、正直そう言うツールが我々にも一般的ではありませんでした。良い時代になったものです。ただ、皆さんの目の前に現れる住まいの大半は、まだそう言うレベルのものではありません。一方、ストックとなっているこの国の既築住宅は、そういう性能とは全く別世界で、未だヒートショックで室内人が死ぬという悲劇が起こっている。統計によると、日進月歩で安全性能が改善してきている自動車の交通死亡事故よりも圧倒的に数が多いのです。予算がないから、お手軽だから、知らないからでこれからもそんな住まいを増やしていくべきかと言うことなのです。不良在庫を一棟解体したら、これから50年はもつ妥当な性能の住まいを創りませんか?国の基準は、関係業界の顔色を見ながらだから全く足りません。実際に、愛されて、褒められて、快適で、価値が下がらない本来の性能の住まいを創ることこそが「正義」ではないかと私などは思います。まずは知らされていないことが問題ですが、これを読んでくださっていると言うことは、そのハードルは越えました。消費者の共通認識として、本当の必要な性能の住まいに更新していくことを広めなければ、この国の未来はありません。少子高齢化で生産力はどんなに緩くても右肩下がり、小さなエネルギーで快適に暮らせる準備は今からはじめても遅いくらいなのです。

 補助金回して、経済活性化させて、少しおこぼれもらって、20年でスクラップになる住まいを建てては、孫子の代に申し訳ないとおもいます。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 09:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
これからの住まいづくりの正義。3

 既築の建物を有効活用するレトロフィットに関しては、また別の機会にお話しするとして、今回は新築のお話を進めています。来たる2020年には、どんな小さな住まいも省エネルギー基準の網がかかって、それ以下の性能の住まいは建てられなくなります。ただこれは、私が今言っているこれから新築をするに十分な正義と説得力のある性能ではありません。全然足りない。あくまで底上げ。なぜならば、今回の基準は弊社では25年前にはすでにクリアできていたそんなレベルの性能だからです。技術は日進月歩しています。当時も周りは「そこまでは必要ないのでは…」とよく言われました。しかしそれが、これからの義務基準となります。ですから今、新築されるならば「そこまでは必要ないのでは…」とまた言われても怯みません。次の 25年後に、スクラップとならないためには、基準なんかよりもずっと高性能であるべきなのです。お隣り韓国でも、トイレのないマンションといわれた原発からは撤廃の方針を固めました。これが世界の常識です。この国は、未だ変な方向へ迷走していますが、やがてそれでも世界の潮流に飲み込まれていくことになると思います。電力料金は上昇傾向にあり再生可能エネルギーだけで持続可能な社会を構築するためには、現在よりもぐっと消費を減らし、再生エネルギーの創造に励む必要があるのです。今の国内の住宅部門のは省エネと創エネがごちゃ混ぜになっているきらいがある。本来なら、まずは徹底して省エネです。その上で創エネが始るのです。

 義務基準をクリアして、そこそこの性能で、太陽光電池パネルの売電収益で収支の辻褄を合わせているような仕様の住まいは、少なくとも25年後にはスクラップです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 06:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
これからの住まいづくりの正義。2

 少なくとも、これから数だけで言えば必ず余ってくる日本の住宅ですから、これから新築住宅を建てることに正義があるとすれば、既存住宅には到底真似できないような性能や特徴があることが必須ではないかと思います。「いや自分は古屋は嫌だ、新居に住みたいんだからそんなこと関係ない」と言われるかもしれませんが、35年ものローンを組んでも、これまでのような価値が維持できないのですから、実際にはどんなに私的な住まいづくりでも世の流れと無関係とは言えません。社会全体で考えれば、既築の住宅空間で上手くレトロフィットして、使えるものは活用し、新築の住まいに関してはこれまでとは全く違った物差しで住まいづくりをしていかなければならないのだと思います。残念なことに、現時点での住宅ストックは、20年で陳腐化して愛着もなくなる、性能も全く足りていない住宅が殆どという有様です。まさに、スクラップアンドビルドで「どう住み続けるか」がテーマではなく、建てることで「経済を回す」という変なことがずっと続いた結果です。少なくとも、私たちが郷愁を感じる「民家」と呼ばれて大切に住み継がれているものとは、全く別物がこんなにもダブついてしまった。あなたはそれでも、また新たに不良在庫を増やしますか?ヨーロッパをみれば、200年300年と言う年代物の住まい空間は当たり前のように存在します。言わば一度建てれば、何代も住み継がれて、孫子の代は生涯年収をそこにつぎ込まなくても良い社会が構築されているのです。例えば、生涯年収のうちに3000万,4000万という金額がゆとりとしてあったら、あなたの人生はどうでしょうか。日本の今の現象は、自分も子も孫も、そんな金額をつぎ込んだあげくに、不良在庫ばかりが現存する社会なのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 06:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
これからの住まいづくりの正義。1

 この国は、これから少子高齢化の極みを突き進みます。統計の未来予測は、恐ろしい数字ばかりが飛び交いますが、これから来る未来を不安視してばかりもいられません。ただ、これまで通りにいかないことも沢山起こってくると思われます。冷静に判断して生き抜かなければなりません。何だかお上は、オリンピックやって万博やって、カジノ作ってスクラップアンドビルドを続行すれば何とかなるような雰囲気づくりに躍起ですが、1000%何処かで減速が始り、先送りのツケを何処かで清算しなければならないのは自明です。トイレのないマンションと言われる原発を今だ動かそうとしている政治ですから、信用には値しません。

 庶民はしたたかに生きていかなければなりません。これまでの数をこなす住宅業界も、厳しい淘汰がすでに始っていますが、案外蚊帳の外におかれているのは住まい手自身、未だにどうしようもない性能の住まいを安価に建てたり、集合住宅のメリットを生かしきれないマンションがただ新しいだけで売れいてる傾向を見れば、私などは何とか建たないようにしなければと思ったりします。とは言っても私もそれを生業としている人間です。ではどうするか、建てて良いものと建ててはいけないものを明らかにするためにはっきりと示すことではないかと思ったりするのです。

 すでに、一般の消費者の方が、安心して35年もローンを組んで、今までと同じ住まいを買って何ら疑問なく暮らせる時代は随分前に終わっています。業界にもモラルはありますが、一部の心ない人々は、未だにそれを当たり前に売っているのです。まるで、オリンピックやって、万博やって、カジノ作ったらバラ色みたいな世界と同じ感覚です。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
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