住まいづくりをしていて、時々思うのは、現代人はほんとうに日々忙しく動いていて、ゆっくり考えるいとまもないのではないかと言う事です。近年、この国でおまかせ家づくりがずっと主流になってしまったのもその為かもしれません。住まいは日々の暮らしの投影ですから、「何となくこんな感じ」と平均的な部分を繋げた根拠のないライフスタイルを受け入れて、そのままフィット感の足りない住まいに暮らすと言う事も少なくないのかもしれません。弊社をリオとずれるお客様は、そう言う意味では強者ばかりで、笑、そういう住まいづくりでは飽き足らない方が大半なのですが、それでも社会の思考停止傾向から抜け出してこられるのは大変な事のように思います。疑問を持たなければ、新聞テレビの垂れ流し情報は、あたかも「あなたの理想の暮らしはこれですね」と言わんばかりの宣伝攻勢をかけてきますし、モデルルームに行けばすでにそこには現物が建っていますから、その説得力には叶わないのです。
ただ、ほんとうにそれで良いでしょうか。世の中にはそういう暮らしを20年で放棄して、ゴーストタウン化し始めている新興住宅街が五万とあります。老人ばかりになって真っ昼間、人っ子一人歩いていない街並は、結構なインパクトで将来のこの国を想像させます。これからどんな住まいづくりをすれば良いのかと言う一つの答えがそこにはあるように思うのです。(つづく)
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