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「猛暑の夏」と世の矛盾 2

 「学校全体にエアコンを設置する!」聞けば何だか大英断の素晴らしい事のように感じますが、私に言わせれば、「空調の利かない空間をエアコンで力任せに冷やす・暖める」ことのまさにその場しのぎであり、建物には耐久性に難が出てくるは、エネルギーは大変な無駄をしてしまうは、その上快適とはほど遠い、「冷房効きすぎて寒い!」「暖房入りすぎて頭ぼっとする」なんて環境を創り出してしまいそうな懸念事項満載の所業だと言わざるを得ません。このコラムを読んで頂いている方はすぐお分かりだと思いますが、まずは空調よりも、有効な空調が可能な建物自体の性能の向上が先決で、そこを何も語っていないところがそもそもこの提案の間違いだと言わなければならないのです。要は断熱・気密性能を向上しない限り、エアコンだけを取り付けても全く問題解決にはつながらないのは、近年の一般的な住まいづくりが実証しています。対処療法を重ねて言っても、他の問題が頻発するばかりです。折角予算を割くのであれば、もっと違うアプローチはないものかと考えてしまいます。まあ、近年の政治を見てもまさにその場しのぎな感じは否めません。  

 そもそも学校の校舎は、法律の上でも住宅よりも自然最高のための大きな窓をとらなければならないために、開口部が巨大です。その上躯体は戦後の政策で木造校舎から殆ど鉄筋コンクリートの校舎になりました。それも内外殆ど鉄筋コンクリートむき出しの無断熱校舎です。さて、この環境に無理矢理の温度を作り出したらどうなるでしょうか。推して知るべしです。(つづく)

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| - | 07:02 | comments(0) | trackbacks(0) |
「猛暑の夏」と世の矛盾 1

 今年の夏は異常ですね。そんな言葉が常になってしまっています。皆さんはお変わりないですか?

まだまだ残暑は過酷で、健康被害も続発しているようで心配でなりません。とりわけ住まいづくりを生業としている者の一人として、宅内での熱中症による緊急搬送が例年の倍にもなっているという状況は、聞くに付け胸が痛い想いがします。

 一昨日、岐阜県の病院で入院中の同室の80代の患者さん4人が、相次いで亡くなられるという事件が起こりました。当日病院のそのフロアのエアコンが故障していたという状況から熱中症による死亡も含めて捜査中ということで、一部患者さんはエアコンの効くフロアに移されていたのに、その部屋の方達は移動せず扇風機などで対応していたと言うのです。病院側はエアコンの故障との関係を否定しているとの事ですが、36℃を越える猛暑の中、健康な人でも扇風機だけで対応するのには無理があるように思えてなりません。私はここで病院の対応の是非を語るつもりはありませんが、やはりこれは、今年顕著に露呈してしまっているこの国の建築全体の熱性能の脆弱性の事例の一つだと言う見方をしなければならないのではないかと思うのです。

 こうなってみて初めて、政治家たちは学校のエアコンの設置を急ぐとアピリまくってますが、私にはそれも少しあざとく見えてしまいます。時間をかけて、エアコン設置をする前にしなければならなかった事に着目せずに、単純に設備を付加すると言うのはまさに今の住まいづくりにも言える事です。さて、どうして行きましょうか。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:09 | comments(0) | trackbacks(0) |
「福岡パッシブハウス」完成から7年の月日。5

 思わぬご夫妻のご厚意で、とある昼下がりに、まるで旧知の友人のような顔をして、「福岡パッシブハウス」にお茶を頂きに行く幸福を得ました。完成まで、それなりに苦労はありましたし、建設最中は大変な仕事でした。ただ、住まいづくりは、実は長い時間がかかってその評価がくだされていきます。7年経って今回このお誘いを頂いた事は、創り手として嬉しくて仕方ない。通常弊社単独でのお客様の場合は、フランクなお付き合いが始る事も多いのですが、福岡パッシブハウスは森代表との共同案件である事もあり、他とは少し違う距離感でした。今回、7年前の自分が真摯に取り組んでいたお陰だとほっとしました。結局、少しのお時間のつもりが、苦労話が笑い話に発酵していく時間と言う濾過のお陰で、気がつけば少し陽が傾くほどの時間までずっとお話しをしていました。温熱の事はもとより、ドイツとの行き来で留守の時が多くてもドアを開ければ出発時と同じ環境が出迎えてくれる。弊社がいつも拘る階段の段割りは、日々優しさを感じると言ってくださいました。そして何より、お手入れも十分されていますが、7年と言う月日が過ぎても何も変わりなく暮らしが続いていると言う事に感謝の言葉を述べて頂きました。暮らし始めてしばらくは、各室の温度分布のことや各シーズンの生活パターンでご相談も頂き、少し調整もさせて頂いてきましたが、やがて住みこなされ、日常的にはお留守のシーズンもあるのでそれほどご連絡は取り合う感じではなくなって来ていました。住まいのお話しはもとより、ドイツの車の話や、ご専門の弦楽器のお話しまで、楽しい話題は尽きません。「又是非寄ってくださいね」とお二人にお見送り頂き素敵な時間を後にしました。これから本当の住まい手とつくり手のお付き合いが始るのかもしれないと思っています。(おわり)

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| 住まいづくりのヒント | 07:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
「福岡パッシブハウス」完成から7年の月日。4

 大いなる挑戦だった工事期間、関係者ひとりひとりの想いがかたちになっていく経緯は、関係者誰しものその後の仕事に大きな影響を及ぼしました。私の場合、「パッシブハウス 」というものが、それまで20年近く実践して来た九州での高気密高断熱住宅の延長線上にあるという感覚が実感できで、急に親近感を持つ事が出来たのと、パッシブハウス基準が荒唐無稽なハイスペックではないと言うこと、またなぜそのレベルにしなければならないかという意味が実感できた事が大きな収穫でした。私のそれ以降の仕事は、例えば色々な条件下で必ずしもパッシブ認定に至らずとも、住まい手が実感として矛盾なく快適であるということを体感できる住まいを創ることに終始しています。また誤摩化しのない省エネを考えれば、今の日本の一般的な基準のようにグズグズすることなく一気に性能アップをした方が理に叶っていて、あらゆる努力で住まい手をそちらに誘導することを常として行っています。少しばかり皆さんより先にこのパッシブハウスを体現した分、普及の一助にならなければという思いで、パシブハウスジャパンのお仕事も続けている事もそれ以来の事です。

 現状を考えると、日本の住まいはまだまだ性能が足りません。かけ声は良いのですが、本当の意味での「快適」と嘘偽りのない「省エネ」が実践できている住まいはまだまだ少ないです。そんな中で、一つ先の、ほんとうのエコハウスを知っている者の一人として、啓蒙しつづけていかなければならないと思います。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 06:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
「福岡パッシブハウス」完成から7年の月日。3

 基礎工事の段階から、様々な資材が品薄になって、防蟻断熱材が手に入らないとか特に関東以東から持ってくるものに関しては施工店の樋渡社長が非常にご苦労されました。それでもあまり工事延期もせずに何とか一丸となって取り組めたのは、あのショッキングな震災の映像を共に観たからかもしれません。このままではいけない、私たちは何か間違って来たのではないか。そんな想いです。もっとエネルギー消費を減らし、快適な住まいを実現したい。そんな想いです。何せまだその性能レベルのものが周囲にない訳ですから、やり過ぎなくらい色々やっても、それが基準に到達しているかどうかが見えないのです。逆に、ディテールを定めていく中で、高断熱高気密を20年以上やっている私にとっては、日頃の仕事と基本は同じで、それを更にグレードアップしていけばパッシブ基準に到達するという確信も持てました。リアルタイムに鎌倉の森さんとつながりながら、現地で七転八倒しながら、工事を進めていきました。マグイゾベールの山根氏も日参して気密工事指導をのやってくれました。

 晴れ晴れしい構造見学会、完成見学会では、同じ歩調で拡大して来たパッシブハウスジャパンの会員をはじめ、今から思えば蒼々たるメンバーが全国から沢山集まってくださって、華やかなお披露目を行いました。思えば今全国でご活躍の方達が、皆さん福岡へ来られました。そのたびに責任の重さを感じながら、認定に関わる最後の気密試験の際には、予定の数値より良いデータが取れた時には関係者全員で歓喜したものです。

 ご夫妻が、住み始められて7年。今回伺って、殆ど何も変わっていないその暮らしぶりを拝見して、私はほっと致しました。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:05 | comments(0) | trackbacks(0) |
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