「学校全体にエアコンを設置する!」聞けば何だか大英断の素晴らしい事のように感じますが、私に言わせれば、「空調の利かない空間をエアコンで力任せに冷やす・暖める」ことのまさにその場しのぎであり、建物には耐久性に難が出てくるは、エネルギーは大変な無駄をしてしまうは、その上快適とはほど遠い、「冷房効きすぎて寒い!」「暖房入りすぎて頭ぼっとする」なんて環境を創り出してしまいそうな懸念事項満載の所業だと言わざるを得ません。このコラムを読んで頂いている方はすぐお分かりだと思いますが、まずは空調よりも、有効な空調が可能な建物自体の性能の向上が先決で、そこを何も語っていないところがそもそもこの提案の間違いだと言わなければならないのです。要は断熱・気密性能を向上しない限り、エアコンだけを取り付けても全く問題解決にはつながらないのは、近年の一般的な住まいづくりが実証しています。対処療法を重ねて言っても、他の問題が頻発するばかりです。折角予算を割くのであれば、もっと違うアプローチはないものかと考えてしまいます。まあ、近年の政治を見てもまさにその場しのぎな感じは否めません。
そもそも学校の校舎は、法律の上でも住宅よりも自然最高のための大きな窓をとらなければならないために、開口部が巨大です。その上躯体は戦後の政策で木造校舎から殆ど鉄筋コンクリートの校舎になりました。それも内外殆ど鉄筋コンクリートむき出しの無断熱校舎です。さて、この環境に無理矢理の温度を作り出したらどうなるでしょうか。推して知るべしです。(つづく)
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