甲高い何処までも伸びる三波春夫の声で「♪オリンピックの顔と顔♪トトントトトント顔と顔〜♪」という曲を聴いたことがある。先の東京オリンピックは1964年だから、流石の髭もこの世には産み落とされていたが、さすがにはまだあまり記憶がない。後々何処かで聴いた訳だが、当時の高度成長期まっしぐらの底抜けな国民総意の明るさがよく曲に現れている。このあと、やはり三波春夫さんの「世界の国からこんにちは」で「こんにちは〜♪こんにちは〜♪」と大阪万博で世界と繋がる平和な日本が国民全体で謳歌されたのである。
さて、話は変わって2020年のオリンピックの鑑賞チケットが本日公表されたという。話題になっていたのが開会式の一番高級なチケット。なんと30万円だそうである。聞き間違えかと思ってテレビ画面を見直した。やはり30万円。どうやら髭にはかすめもしないが、世の中はとんでもない好景気なのかもしれない。だとすれば致し方ないが、本当にそうか。各地で子供食堂の運動が広がりをみせたりお年寄りの年金は目減りしていると言うのに、本当に好景気か。隣国同士でぎくしゃくして、何だか刺々しい。商業オリンピックであることは、すでに百も承知だが、パフォーマンスだけでももう少し上手くやってほしい。国民総意で平和の祭典を喜ぶ空気感にはどうしても思えないと思ってしまうのは髭だけだろうか。色々と水を差すつもりは毛頭ないが、出来ればもっともっと、優しい世の中の流れになってほしいものだ。
みんなが楽しい方がいい。みんなが明るい方がいい。出来れば日の当たらないところが、少しでも少ない方がいい。あの、底抜けに明るい三波春夫さんの歌が似合うような、そんな世の中になりたいものだと、30万円のシートの主を夢想しながら思ってしまった。
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