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自分を守ってもらえる住まい 1

 この数日の北部九州の雨は、凄まじいものがありました。福岡でも実に2日間、夜も昼も暇なく強い雨が降り続き、このまま止まないのではないかと段々怖くなるほどでした。佐賀方面では2ヶ月分の降雨量が一日で降ると言う記録的な雨だったそうです。各地で爪痕も残されましたが、被害に遭われた皆様には心からお見舞い申し上げます。

 さて、東北の大震災以来、私がずっと言いつづけているのは、私たちの日常と言うものが極めて脆弱なインフラの上に成り立っているということで、一度そう言うものが何処か部分的にでもダメージを被ると、一気に総崩れになってしまうようなところが見受けられます。本来は教訓的な出来事のあとに、反省と対策がしっかりなされていくべきなのですが、様々な理由によってそれが誤摩化されている風潮もなくはありません。ともすれば、みんなでわざとなるべく考えないようにしているのではないかと思えるほどです。 

 住まいづくりにおいても、目の当たりに崩壊する木造住宅の映像が沢山流れてから、耐震性や構造強度に関しては以前より関心が深まりました。そこを重点的に強化してアピールするハウスメーカーも増えました。しかしまだまだ住まいは脆弱だと言わざるを得ず、やらなければならないことも沢山なのです。喉元過ぎればではないのですが、この夏の酷暑のひどさも住まいの性能の脆弱さに他なりません。今回はそんなお話から。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 11:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
「家族」と住まいを考える 6

 例えば、気の合う仲間で何世帯かまとめてひとつ屋根の下に暮らすと言う方法もあると思うし、シニア夫婦と子育て世代が血縁なくとも仲が良ければ支え合って暮らしても良いと思う。シングルのシルバーが互いを補完する為に何人かで仲良く共同生活するもいいし、血縁、性別、年齢問わず家族と言う概念を大きく拡げてコミュニティーを形成し、これから暮らしのベースとしていくことが出来ればと思ったりします。

 何世代も同じ地に根ざしたかつての暮らしでは、自ずと固定化した地域のコミュニティーがありました。それには功罪もありましたが、戦後の都市部への人口流入でそれがいよいよ希薄となり、今では都心部のマンションでは隣りの住人も知らないと言うことも当たり前の状態です。コミュニティーがなくなり家族がいよいよ最小単位となれば、孤独感を日常で感じる人も膨大に増えているのだと思います。ある意味、自由となった私たちは孤独に耐えなければならなくなったのです。さて、「だから大家族主義がいいんだ。かつての日本に戻れ」という復古調の発想には賛同しかねます。変化してきたのには理由があります。つまり、変化したのっぴきならない理由をしっかり見定めて、再び更なる変化をしなければならないのではないかと思うのです。

 長いこの国の歴史を見れば、「自由」というものを実感して生きることの方がまだまだ慣れていない国民性です。ともすると、元に戻そうと言う勢力が台頭して来る。これも長い歴史からすれば仕方ないかもしれません。ただ、そんなに簡単に手放して良いのでしょうか。賢く「自由」の幸福を謳歌する道を考えていくべきではないでしょうか。少子高齢化と急速に進む人口減少の中、これから私たちは「家族」を自分の意志で選択しながら暮らしていくべきだと思います。絵に描いたような家族にこだわる必要は全くありません。誰はばかることなく、自分が一番居心地が良い者同士で、一番無理のない規模で、かたちで、暮らしを作っていくべきだと思います。少しだけ大変なのは、雛形がない分、「考えなければならない」と言うことです。ある意味「住まい」は、それを強力にバックアップするものだと思います。そう言う意味で私も自由な発想で住まい手に寄り添っていきたいと考えます。

 あなたのためだけの、「家族」を創造して、その為の住まいづくりをしませんか?(おわり)

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| 住まいづくりのヒント | 07:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
「家族」と住まいを考える 5

 社会の対応や、制度上の工夫はいるとしても、血縁の縛りによる家族のみを「家族像」とする観点から一歩進んで、個人が自分の意志で幸福に暮らす為に選択した日常生活の一単位を、「家族」と認めていくことも、少子高齢化、人口減少の一途を進むこの国の知恵のひとつではないかと私は思います。上から目線の大家族ではなく、やはり人間孤独は寂しいものですから、気の合う仲間とあれこれコミュニケーションをとりながら暮らすほうが、「幸福」を感じる人は躊躇わずそうしたら良いのではないかと思います。勿論孤独を愛する方もいますから、そう言う人はそう言う人同士のプライバシーを充分考慮したコミュニティーを形成していけば良いのだと思います。形はまさにさまざまに、色々な家族を形成していけば良いのではないかと思うのです。是枝是枝裕和監督の描く「万引き家族」は、まさになさぬ仲の集団である登場人物が、様々な出来事の中でやがて「家族」と呼べる関係に変化していく機微を見事に描いています。私は彼の描く映画に、形骸化して劣化した「家族」という言葉の意味合いを、もう一度再考して大切にするべきではないかと言う暖かいメッセージを感じます。

 住まいづくりを何十年も生業としている私も、それと同じように、住まいづくりの面から「家族」というものをいつも考えていたい。まさに「家」=ひとつ屋根の下に暮らす「族」=共通項をもったひとつの集まりだとすれば、「家族」にはそれぞれのかたちがあって良いと思うのです。テーブルコーディネートされた住宅展示場のお洒落なダイニングテープルに、あなたのリアルな暮らしがあるでしょうかと今までもお話ししてきました。まさにあれは、企業が考える固定化した家族像に他ならず、リアルに肉迫して来る皆さんの暮らしを下支えする住まいを思えば、私としてはもっと別のかたちでご提案できればといつも思います。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
「家族」と住まいを考える 4

 戦後の核家族化から現代に至るまで、家族の単位がバラけて小さくなったひとつの大きな要因は、戦前の全体主義への「嫌悪」もあるのではないかと思います。家長の厳しい監視下からドロップアウトし、田舎から都会をめざす。それまで正しいとされてきた価値観が一瞬にして瓦解して、自由に干渉されない暮らしを求めて都会に出ると言うことの選択のバックボーンには、戦前から一転、自由を謳歌する空気感だったのではないかと思うのです。私は大家族主義を決して否定しません。むしろ今も何世代もの家族がひとつ屋根に暮らされているご家族に遭遇するとホッとします。安定感と言うのでしょうか。互いを補完しながら助け合い暮らすことは理想だと思います。ただ、昨今のキナ臭い復古調の戦前回帰の愛国主義とは一線を画し、別の成長をしていかなければならないと思っています。血縁と言う先天的な条件によりただ「縛る」家族ではなく、一個人の意志によってひとつ屋根の下に望んで暮らす家族の形は、まさに多様性をもって発展させていけば良いのだと思います。成熟した社会の物差しは、まさに多様性であるのではないかと思います。

 例えば、若い方達には「シェアハウス」という生活形態も意外なほどにスムーズに受け入れられています。プライバシーの守られた個室の確保はされていても、ダイニングや水回りは共有し、共同生活をすると言うものです。それ用に建てられた建物も出来始めていて、流通している賃貸物件も格安の家賃を売りに成り立っているようです。ただ、それだけでは少しハードルが高く万人向きではありません。ここに、充分なコミュニケーションと「気が合う仲間」と言う意識が付加されれば、充分世代を越えて受け入れられるかもしれません。

 近年、独居老人の孤独死が取りざたされたり、子育てにひとり対峙して孤独感を拭えない若いお母さん世代が増えたり、家族単位が急速に小さくなっていく中での様々な問題は、まさに多様性を含んだ緩やかな「家族像」にあるかもしれないと思ったりします。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
「家族」と住まいを考える 3

 折しも、男性誌「GQ」の9月号の特集は「自由な家族」を特集しています。編集長の鈴木正文氏は、ティレクターズレターの中で、自民党改憲草案にある「家族は社会かつ基礎的な単位として尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」という何とも横柄な一文に、「ここにある思想を、僕は受け入れることが出来ない」と上から降りて来る「家族像」に強い警戒感を露にしています。彼の意見に私は深く共感し、過不足なく同意します。まず「家族」の前に個人の自由があることは前提で、家族を形成する自由も、そこから離脱する自由も上から目線で規制することがあっては決してならないということだと思います。家族が助け合うのは当然の事ですが、それはあくまで一個人の嘘偽りのない意思から始まるものでなければならないのです。近年の復古調を露にした、きな臭い政治の一旦ですが、私は長年住まいづくりをしていて、この「家族」の概念は今後のこの国の方向に大きく影響していくものと過敏にならざるをえません。鈴木氏は特集の中で、様々な形の「家族」をインタビューして痛快です。決してハウスメーカーが描く家族像とは異なる様々な家族が、そこには描き出されています。

 私はこの記事に触れるずっと前から、良く人にこんなことを話していました。「少子高齢化のこれからの時代、家族は血縁によって形成すると言う概念を緩めて、自分の意志で集う家族があっても良いのかもしれない」と。つまり、年齢・性別・続柄に関係なく、肩寄せ合って暮らすことに互いの共通項が見いだせれば、それはすでに家族なのではないかと言うことを話していました。世の中には、望むべくもなく血縁と言うだけで便宜上そこに暮らす仮面家族も大勢います。それよりももっとピュアに暮らせる仲間があるのであれば、それを「家族」と呼んでも良いのではないかと思うのです。

 復古調の全体主義的な「家族」の定義は、戦前からの流れで、最終的には国家のもとに皆家族だから手伝え、我慢しろと言うひと言の為にそれがあります。「家族」の定義は決してそうあっては幸福ではなく、もっと優しい愛情溢れた視点のものであるべきではないかと思うのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:21 | comments(0) | trackbacks(0) |
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