今、少子高齢化人口減少と次々と起こる災害の爪痕で、この国は疲弊しています。ところが政治はオリンピック・万博などのアドバルーンこそ華やかですが、庶民の暮らしには焦点が合わず、「桜を見る会」に象徴される長期政権の驕りと弊害で腐敗し切っています。国民は、昭和のおわりから30年も経っているのに、じっとしていても「このまま」が続くのではないかという思考停止状態が未だ根強いままです。私は日に日にじり貧となっている市民の暮らしを実感しながら、一市民として何が出来るかをずっと考えています。住まいづくりでは、限りある予算の中で、今の経済の一旦でマネーゲームの道具にされてしまうような従来の住まいづくりではなくて、皆さんが本当に幸福になるような住まいづくりはどう言うことだろうかと模索しつづけています。
今年は、空間を削ぎ落とし削ぎ落とししながら、大人5人のための27坪の小さな住まいを提案しました。そこに最後まで残ったものは、家族がひとつのテーブルの中心に向かい、飲み食いし、話し、たわいない時間を愉しむ集いの場でした。よく話すこと、ささやかな幸福を共有することが、今の私たちには一番欠けていて、外向きの派手な時間と裏腹に、内向きにはひどく孤独な日本人が多い気がしてなりません。思考停止の覚醒には、価値観を共有する家族、ここでは血縁に限らず、価値観を共有できる暮らしの1単位を「家族」とするならば、その家族との連携が必要だといつも想います。個人が硬直化し、思考停止に陥り、孤独感に苛まれながら、更に思考停止になり、悪政に抗うことも忘れてただ惰性の時を送る、その最終段階に今があります。
自分のためにも、社会のためにも、今ひとりひとりが目覚めていかなければならないと思います。あらゆる分野の人達が、そこに焦点を当て、語り、出来ることをし、大きなシフトをしていくスタート、それが「令和元年」のような気がします。非力ではありますが、これからも皆さんに住まいづくりを通して、そう言うことものをお伝えしていければと思います。
個人的には喪中にて、新年はお年賀が叶いませんが、皆様きっと良いお年をお迎えください。希望をもったら新しい年が、皆様に訪れることを心より記念致します。一年間ありがとうございました。(おわり)
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