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我慢しない省エネという視点 5

 巷のエコ・省エネブームに、何となく薄っぺらさを感じてしまう中、本物を模索する時に感じた事を少し書いてきました。この国の住まいの性能レベルで言えば、ほとんどのものがエコ・省エネを語るレベルに達していません。順序を間違えると迷走してしまいます。まずは万人が過不足なく「我慢のない暮らし」が出来る温熱環境を作る事が先決です。また技術的に言えば、それをキープしようと思えば、今よりも極めて高度な気密断熱性能は必須となりますので、基本性能がアップすれば、自ずと無駄なエネルギー消費は減り、エコ・省エネに貢献していくと言うものなのです。現状にお茶を濁したような今のやり方を何度繰り返し、20年やそこらでスクラップアンドビルドを繰り返していても、実は省エネには余り貢献しませんし、いつまでたってもエコ先進国には追い付いていきません。

 確実に30年は遅れていると言われるこの国のエコ・省エネへの取り組みは、表面的なやってるフリでは手遅れ状態で、すでに現状を数段飛びで加速していかなければ、手遅れと言う段階にあります。日に日に世界からガラパゴス化していくこの国の住まいづくり事情を変えていくには、皆さんひとりひとりの妥協のない判断が必須となってくるのです。みなさんはすでに、本当にストレスのない温熱環境の暮らしを充分に謳歌する権利があります。そしてその技術はすでに構築されてきています。充分に実現可能です。問題なのは、情報がまだまだきちんと広がっていないという事なのですが、「経済」というフィルターが掛かってしまうとどうしてもトーンダウンして小出しになるのです。国すらむしろそれを助長しているきらいがなくもないのです。そして何よりもそのことが、つまり「皆さんの我慢」が省エネに貢献していないという状態を早く是正していきたいのです。写真は2016年に訪ねたドイツ、ダルムシュタッドにあるファーストパッシブハウスです。我慢しない省エネは、現実です。皆さんのご相談には真摯にお答えしていきます。(おわり)

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| - | 07:39 | comments(0) | - |
我慢しない省エネという視点 4

 皆さんが実感として、もっと我慢しないで良い暮らしがあると言うことを認識し始めると、きっと事は動き出すと、私などは考えます。北海道のお客様が「九州は寒い」と仰られる理由は、設えとして暮らしのための空間が彼の地よりも温熱的に整っていないからです。気候的には北海道よりも優しい温度の筈ですが、それ故に設えが軽微で、満足のいく我慢のない屋内環境になっていないのです。もっと厳しい気候のエリアでは、快適を貪欲に求める想いが歴史的に強いのかもしれません。現代人は生涯の9割を屋内で過ごすと言われていますから、屋外の気候としては北海道より気候が優しい九州でも、設えとしての室内環境が足りていないから寒いと言われるのです。ヒートショックによる死亡事故も北海道の方が圧倒的に少ないという現実はそのためです。この状態で、どうやって省エネをしろと言うのでしょうか。

 エコ・省エネ先進のヨーロッパに目をやれば尚の事です。彼らの省エネは、生身の人間に我慢など強いない。快適と言うものをしっかりと担保した上で、それがどうすれば少しでも少ないエネルギー消費で持続的に享受できるかと言う取り組みを永遠と続けているのです。日本のそれは、以前のものに比べればと言う購買意欲をかき立てるための経済という物差しの上でのナンチャッテ省エネです。国の物差しも、企業が販売戦略として出す示す省エネも、ポーズに過ぎないものがほとんどです。

 この上は、私たち一人一人が、物差しを持ち、どんな住まいを創っていくかと言うベースの上で省エネを語らなければならないのではないのでしょうか。もう、待ったナシです。世界もその方向で急進しています。日本だけが、そのものさしに乗らない体でナンチャッテを繰り返している。一番の漏エネは、あなたも子も孫も、各世代ごとに30年以上も掛かるローンをさせられて、省エネとは名ばかりの我慢ばかりの住まいを建てては壊しを繰り返している事です。我慢しない快適と、省エネが実は矛盾しないと言うレベルにまだこの国はあるという事をわかってほしいのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 23:41 | comments(0) | - |
我慢しない省エネという視点 3

 例えば、福岡に北海道の知人が訪れた時に、「福岡は寒くてしかたない」とおっしやいます。格段に北海道の冬の方が寒いですし、どうしてそう言う感覚が生まれるのか、考えたことがありますか?例えば宅内のヒートショック事故による死者も、北海道は断然に少なく、むしろ九州の方がおおいという事実をご存知でしょうか。つまり、暑さ寒さは気候そのものよりも、住まいの設え次第と言うことが出来るのです。温熱に関しては、国内では断然北海道の方が先進でした。

 30年近く前に住まいづくりのことを学びに北海道に通い始めた頃は、まさに私にとっての先生は北海道だったのです。どんなに屋外が氷点下の極寒でも、室内が適温に保たれていることの豊かさを私は文化だと思いました。その気持が持続して、ドイツのパッシブハウスに行き着き、今も学びが続いているのです。暖かい地方だから軽微で良いと言うお話しも良く伺いますが、こぞってまずそう言うことを口にする人の指す住まいは、私に言わせればまだまだ性能が足りていません。我慢の上に成り立つ省エネなどと言うものは、そもそも成立せずに、むしろ快適に豊かさを求めていくと、究極的には今よりもずっと省エネになると言うことを理解して頂きたいと思います。体感的に、実感できる性能を構築するための設えは、省エネと矛盾しません。繰り返しますが、私たちの暮らしは、様々にしなくて良い我慢を沢山しながら、エネルギーを浪費してしまっている。そう言わざるを得ないのです。だったらなぜシフトしないのでしょう。

 外国の方達とお話しをすると、東北の震災があり福島の事故があったあとに、あれだけのことが起きてとても危ないとわかっているのに、なぜあなたたちは原発をやめないのか?と聴かれることがあります。正直返答に困り、私も良くないと思うなどとお茶を濁すと、「じゃあなぜやめさせない?」「なぜそうしない?」と矢継ぎ早に返ってきます。もう返答は出来ません。ただ、これと省エネも良く似ているかもしれません。現状を変えない何とも言えない雰囲気のなかで、脱力してしまう日本人の悪いところかもしれません。もう答えは出ているのだから、変えなければなりませんね。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:32 | comments(0) | - |
我慢しない省エネという視点 2

 エコ・省エネに暮らすとなると、皆さんひとりひとりが今まで以上の我慢を強いられるのではないかという誤解はなかなか拭えません。では、皆さん暮らしの中でこれ以上の我慢ができますか?少なくともベースとなる住環境のなかで、この国は未だ、宅内のヒートショックで命が奪われるような状況を払拭し切れていないのです。これ以上、どうつましく暮らせと言うのでしょうか。問題は暮らし方ではなく、求める快適の質なのです。気候風土に根ざした住文化とも言うべき長い歴史は、敗戦の焼け野原で一気に消えてしまい、その後早急に大量供給しなければならない事情から今も巨大産業として生き残るハウスメーカー主動の量産住宅が住まいの主流に取って代わって、その質の部分が随分おざなりにされてきた感があります。かつての民家は勿論スカスカで悪列な熱環境でしたが、それもこの国の気候風土を出来る限りの知恵で凌ぐ究極の選択の結果だったと言えるかもしれません。それが知恵のない単なるスカスカのハリボテに変わって80年、私たちはここから見直さなければならないのだと思います。エコ先進国の住まいが、私たちの暮らしよりもよりつましく、我慢だらけで暮らしている?などと言うことは決してありません。ヨーロッパなどへの渡航経験がある方であれば、熱的に安定していると言うことが大前提の豊かな文化的な暮らしをエンジョイしているのが理解できると思います。

 大切なことですから、もう一度言います。エコ省エネの先進国のヨーロッパなどでは、私たちよりよっぽど我慢のない快適な暮らしが実現しています。我慢だらけで時として宅内でヒートショックが起り命さえ奪われかねない、私たちの暮らしで、彼らよりより多くのエネルギーを使ってしまうことがとんでもない問題だとは思いませんか?

 ハリボテに少し気を良くして断熱材を多少入れて実感のない省エネを喧伝していても意味がないのです。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:32 | comments(0) | - |
我慢しない省エネという視点 1

 今年の冬は暖冬で、年末から今日まで「これぞ冬」と言えるような日に出会いません。暖房費は低く抑えられますし、有難いこともあるのですが、ここまで来るとやはり地球温暖化の影響かと心配になるほどで、このまま春がきて、また夏になると、どれほどの灼熱が待っているのかと不安すら覚えてしまいます。例年であれば九州のこの福岡でも一度くらいは積雪があり、何日も残ることはないまでも凍えるような感覚を覚える経験は毎年してきたものです。各地のスキー場が困っているとも報じられていましたから、きっと何処もそうなのではないでしょうか。

 さて、地球温暖化に向けて温室効果ガスの排出量を削減する動きが世界で急速に広まっていますが、それは平たく言えば、エコ・省エネに暮らし、環境に私たち自身の暮らしが負荷をかけ悪化させることがないようにしていこうというお話しなのです。そう言うと、何だか窮屈で、これまでよりも暮らしにくくなるようなイメージがつきまといますが、はっきり言ってそれは大きな誤解です。少なくとも、この日本で暮らしている皆さんに取っては、窮屈以前の故なき我慢を沢山している現状を見つめ直せば、エコ・省エネの糸口は沢山あります。

 「皆さんが我慢をやめて、快適を本気で追求していけば、エコ・省エネはついて来る」と言えば、いい過ぎでしょうか。私は長いこと省エネで快適な暮らしの提案をしてきましたが、そういう観点からすると皆さんはしなくても良い我慢を沢山している。しかもエネルギーロスを沢山しながら。現状としてはそこからお話ししなければならないのです。今回はそんなお話から。(つづく)

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| 住まいづくりのヒント | 07:20 | comments(0) | - |
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